1中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)について
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)ではどんな症状が起こりますか?
「この症状があれば中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)」というような、特有な症状はありません。
PCNSLの患者さんの約半数で、最初に頭痛、運動障害(うまく手が使えない、うまく歩けないなど)、感覚障害(しびれ、感覚の低下や異常など)があらわれます1)。性格が今までと変わる、ぼんやりするなどの精神症状や意識障害が起こる場合もあります。まれに脊髄症状(細かい作業ができない、失禁するなど)がみられることもあります1)。
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の早期にあらわれる症状

また、リンパ腫が最初に眼にできた場合は片側だけに霧視(かすみ目)や飛蚊症(虫や糸くずのようなものが視界内で動いてみえる)が起こることがあります1)。
一方で、悪性リンパ腫でよくみられる全身症状※が起こることはほとんどありません。また、
PCNSLでは高齢の患者さんが多いこともあり、病気の進行や治療の影響などにより認知機能障害が急速に進行することもあります。
※全身症状:発熱・体重減少・ひどい寝汗
- 参考文献
- 1)脳原発悪性リンパ腫治療の発展. 神経疾患最新の治療2012-2014, 南江堂, 37-40
- 監修:
- 埼玉医科大学国際医療センター
脳脊髄腫瘍科 教授
三島 一彦 先生