小野薬品の薬をご使用の方向け情報

甲状腺がんの治療でビラフトビ・メクトビを使用された方へ

「甲状腺ホルモン療法」などがあります。
手術が難しかったり、放射性ヨウ素が効かなかったりする場合や、体の色々な場所に「がん」が転移している場合は、お薬を使った全身的な治療「薬物治療」を行うことを検討します。

ビラフトビ、メクトビはBRAF遺伝子変異を標的にした「分子標的薬」です。BRAF遺伝子変異をもっている甲状腺がんの患者さんは、日本を含めた東アジアでは約70%1)と報告されています。

BRAF遺伝子は細胞の増殖にかかわる遺伝子で、何らかの変化で遺伝子に傷がつく(遺伝子変異)と、産生するたんぱく質が活性化して細胞が増え続け、がんの発生・進行につながります。

ビラフトビ・メクトビについて詳細をみる

小野薬品の薬を使用された方へ
ビラフトビ・メクトビ
1)国立がん研究センター東病院内分泌学会誌. 37(2):110-114, 2020.

ビラフトビとメクトビを投与する際には遺伝子検査が必要です!

ビラフトビとメクトビは、BRAF遺伝子変異をもつ甲状腺がんに対して効果が示されていますので、治療の前にBRAF遺伝子変異があるかどうかを確認する遺伝子検査を行う必要があります。
がんの一部を採取して遺伝子検査を行い、BRAF遺伝子変異(遺伝子変異の種類:V600E、V600Kなど)が検出された場合にビラフトビとメクトビで治療することができます。

遺伝子検査

ビラフトビとメクトビの服用方法

十分な効果を得るためにお薬は正しく服用しましょう!
ビラフトビとメクトビの効果を十分得るためには、決められた量のお薬を正しく服用することが大切です。
時間を決めて毎日同じ時刻に飲みましょう。
患者さんの状態によって「休薬」や「減量」を行う場合があります。お薬の服用方法は医師の指示に従ってください。ビラフトビとメクトビを一緒に服用する際は、どちらを先に服用しても問題ありません。
[減量して投与を継続する場合の投与量]
減量レベル ビラフトビ メクトビ
通常投与量 450mg 1日1回 45mg 1日2回
1段階減量 300mg 1日1回 30mg 1日2回
2段階減量 225mg 1日1回 15mg 1日2回
3段階減量 投与中止 投与中止

*:減量を要した副作用がGrade1以下に回復し、他に合併する副作用がない場合には、減量時と逆の段階を経て増量可能

ビラフトビとメクトビを服用する前に、特に注意が必要な副作用、Q&A

ビラフトビ・メクトビ 治療日記

毎日ビラフトビとメクトビを決めた時刻に飲んだか記入し、あてはまる症状に○と程度(強・中・弱)、皮膚の症状や出血があらわれた場合は、具体的な場所を書き込みましょう。
ビラフトビ、メクトビ以外のお薬を飲んだ場合もきちんと書いておきましょう。
診察日には日記を担当医師に見せてください。

PDFを印刷して、ご活用ください。
記入例を参考に記録し、受診時に持参しましょう。

ビラフトビ・メクトビ 治療日記
監修:
日本医科大学大学院医学研究科
内分泌外科学分野
大学院教授 杉谷 巌 先生

(2024年5月作成)