がんで「食べられない」のは、しょうがないの?
がんだから「食べられない」とあきらめないでください
がんになる前は「食べたくない」、「食べられない」という日があっても、長くは続かずに、いずれ「食べたい」という気持ちが湧いてきたことでしょう。
しかし、がん患者さんの場合は、がんそのものの影響や、抗がん剤治療の副作用など、様々な原因によって「食べられない」ことが長く続くことがあります。
「食べる」ことは、毎日の生活や、がんの治療において大切です。また、家族が心配して「がんばって食べなくちゃ」と励ましてくれるほど苦しくなり、楽しかった食事の時間が辛い時間に変わってしまうこともあるかもしれません。「食べられない」ことについて考えてみましょう。
「食べられない」で生じる問題
- 体重の減少
- 筋肉の減少・筋力の低下
- 倦怠感(だるさ)
- 心理的ストレス
- 生活の質(QOL)の低下
- 治療への影響(治療の中断、薬剤の変更、減量など)
- 家族間のコミュニケーション不全(食べられないことについての思い、意見の違いなど)
現在は、食べられなくなった一つひとつの原因に対して、対策をとることができます。「がんになったら食べられないもの」とあきらめずに、主治医や看護師、薬剤師、栄養士などあなたの医療チームに相談をしてください。
ここからは「がん患者=食べられない」という思い込みを捨ててしまえるように、食べられない原因と食べるための対策などについて一緒に学んでいきましょう。
- 参考:
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- がん患者の症状 まるわかりBOOK,照林社,2018年:田村和夫 他
- がん悪液質:機序と治療の進歩, 2018年:日本語版監訳 日本がんサポーティブケア学会 Cachexia部会, 内藤立暁
- がん悪液質ハンドブック—「がん悪液質:機序と治療の進歩」を臨床に役立てるために, 2019年:監修 日本がんサポーティブケア学会, 内藤立暁 他
(2024年6月作成)