食べたくないときの一工夫

摂取エネルギー(カロリー)の高い食品や調理法を試してみましょう

食欲がないときは身体の調子に合わせて食べられるものから食べるようにすることが大切です。一度に食べようとせず、間食をうまく取り入れてください。また、飲み物にはちみつやジャムを加えると摂取エネルギーが高くなります。ストレートの紅茶にミルクや砂糖、ジャムを入れたロシアンティもお勧めです。高カロリー食品の代表は油を使った揚げ物ですが、胸焼けがして食べにくいかもしれません。その場合は、おろしポン酢や南蛮漬けなど、さっぱりと食べやすくなる工夫をしてみましょう。

食品、調理法のヒント①

  • お茶よりも、ジュースや乳飲料、はちみつ入りの紅茶、スポーツドリンクを
  • すまし汁よりも、具だくさんのお味噌汁、チャウダー、シチューで
  • 揚げ物はさっぱりとおろしポン酢やレモンを添えるほか、マリネ、南蛮漬けなどで
  • 肉や野菜は、シチュー、グラタンなどに
  • サラダは、高カロリーのマヨネーズやドレッシングを添えて

うどん

パンやご飯などの主食に変化をつけましょう

主食に含まれる炭水化物は高エネルギーの栄養素です。白いご飯が食べにくいときは、ちらし寿司やまぜご飯、パンならサンドイッチなど彩りや風味に一工夫を加えてみてください。気が向いたときに炭水化物をちょこちょこ食べられるよう、一口大のおにぎりやおいなりさんなどを用意しておくとよいでしょう。

食品、調理法のヒント②

  • ご飯は、ちらし寿司、まぜご飯、おにぎり、いなり寿司、梅雑炊、おじやなどで
  • 麺類は、冷や麦、そうめん、焼きそば、パスタなどで
  • パン類は、フレンチトースト、菓子パン、サンドイッチ、パンケーキなどで
  • そのほか、簡単に食べられるものとして、コーンフレークやオートミールなど

サンドイッチ

間食用につまめるものを用意しておきましょう

がん治療中は一度にたくさん食べることが難しくなるので、間食の回数を増やしエネルギーを摂ることが大切です。好物や甘い物は手を伸ばしやすいので、すぐつまめるように用意をしておきましょう。

食品、調理法のヒント③

  • 牛乳やおつまみチーズ、クッキー、おせんべいなど
  • つるっと飲み込めるババロア、ゼリー、アイスクリームなど

アイス

食器や食事をする環境を変えてみましょう

お家の食卓が「食べられない」「気持ち悪い」という記憶に結びついて食欲が湧かないことがあります。気分を切り替えるために窓際の明るい片隅にテーブルを出して、とっておきの食器を使ってみませんか。明るい色のナプキンを添えて、彩りを考えた盛り付けにするなど目で食欲を刺激してもよいでしょう。このほか、外食や公園でのピクニックなど環境を変えてみると普段よりも食欲がそそられます。

外で食べる

【コラム】食べたくないけど、これなら食べられるかも!

がん患者さんに聞いた、『食欲がないけど、これなら「食べたい」、「食べられた」もの』をご紹介します。個人差はありますが、どうぞ参考にしてください。

  • つるっと流し込めるもの
    • 梅茶漬け
    • 冷やしそうめん
    • フルーツ
    • 白がゆ
    • フルーツシャーベット
    • アイスクリーム
    • プリン
    • 果汁100%のジュース
  • 濃い目の味
    • いなり寿司
    • ラーメン
  • においが強くないもの
    • 冷や奴
参考:
  • 国立がん研究センター東病院の管理栄養士さんが考えたがんサバイバーの毎日ごはん,小学館,2019年.:千歳はるか
  • がん患者さんのための国がん東病院レシピ2,法研,2020年.:東島俊一