「食べられない」ときは、医療チームに相談しましょう

がん悪液質の「食べられない」は、対処できる可能性があります

がん患者さんの多くは「がん=やせる、食べられない」というイメージを持っていると思います。なかでもがん悪液質(あくえきしつ)に伴う「食べられない」状態は一昔前まで対応が難しく、医療者も「しかたがない」とあきらめていた面がありました。しかし近年では、いろいろ工夫することで回復する可能性があることがわかっています。

がん悪液質が悪化すると、単なる食欲不振にとどまらずに筋力の低下や体重減少などが生じ、生活の質の(QOL)の低下やがん治療の中断・中止にもつながりかねません。そのため、診断されたときから「食べられない」ことに注意を払うことが大切です。食べることは、がん治療の完走にもつながると考えられています。

あなたや周りの人が「食べられない」、「やせてきた」などのサインに気がついたら、積極的に主治医や看護師、薬剤師などの医療者に相談してください。

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医療チームと一緒に、「食べられない」に向き合いましょう

あなたをサポートするチームには、主治医や看護師、薬剤師のほか、食べることの専門家である管理栄養士、筋力や運動機能の回復を支える理学療法士など様々な職域の医療者が参加しています。「食べられない」悩みを一人で抱え込まずに、どんどん周りの医療者に伝えてください。医療チームと一緒にがん悪液質に立ち向かいましょう。

医療チーム

参考:
  • がん悪液質:機序と治療の進歩, 2018年:日本語版監訳 日本がんサポーティブケア学会 Cachexia部会, 内藤立暁
  • がん悪液質ハンドブック—「がん悪液質:機序と治療の進歩」を臨床に役立てるために, 2019年:監修 日本がんサポーティブケア学会, 内藤立暁 他

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