がん悪液質の治療法は?

がん悪液質の治療には、栄養補給に加えて、運動やお薬があります

がん悪液質(あくえきしつ)では身体を特に動かさなくても、エネルギーが消費されてしまうので、高エネルギー(カロリー)食の補給だけでは回復しにくいといわれています。治療に際しては栄養補給に加えて、食べられない状態を緩和し、筋肉を増やすための治療も併せて行うとよいでしょう。

栄養療法

がんの診断後は適切な栄養補給が大切です。管理栄養士に相談しながら毎日のエネルギー(カロリー)摂取量をできるだけ保つとともに、不足しがちな栄養素やエネルギーについては栄養補助食品を上手に利用するようにします。

栄養補給

運動療法

がん患者さんは様々な要因で、運動量や活動量が低下しやすく、筋肉量が減りやすくなっています。筋肉の減少は倦怠感やだるさを生じ、そこからさらに活動量が減っていくといった悪循環に陥ることがあります。このため、体調をみながらウォーキングなどの軽い運動を行い、筋肉の減少を予防します。

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薬物療法

医師が患者さんの状態をみてお薬を処方することがあります。

参考:
  • がん悪液質:機序と治療の進歩, 2018年:日本語版監訳 日本がんサポーティブケア学会 Cachexia部会, 内藤立暁
  • がん悪液質ハンドブック—「がん悪液質:機序と治療の進歩」を臨床に役立てるために, 2019年:監修 日本がんサポーティブケア学会, 内藤立暁 他
  • 終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン 2013年版,金原出版.:編集 日本緩和医療学会, 緩和医療ガイドライン委員会

(2024年6月作成)