栄養や運動の専門職種にもサポートを受けられます

日常生活の維持を支える栄養サポートチーム(NST)

がんの治療をする多くの病院では、入院している患者さんの栄養状態や身体機能を維持・改善するために栄養サポートチーム(NutritionSupport Team:NST)が活動しています。
これは、食欲の低下や栄養状態の悪化がみられる患者さんを対象に、多職種が連携して、適切な栄養管理を行い、全身状態の改善と合併症の予防を目指すチームです。 NSTでは管理栄養士、看護師、理学療法士、作業療法士、医師、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師などが連携して、患者さんと家族をサポートします。
管理栄養士は栄養と食生活の専門職です。口から食べる楽しみを味わえるような食事、栄養摂取方法の工夫の仕方など、医師の指示のもと、患者さんや家族への栄養指導を行っています。食事の工夫、栄養状態の改善については、がん看護専門看護師、摂食・嚥下障害認定看護師をはじめ、身近な看護師に聞いてみてもよいでしょう。
理学療法士は、主に身体機能の維持・改善を目指したリハビリを支援する職種です。作業療法士は作業を通したケアを行い、言語療法士は呼吸や摂食、飲み込み(嚥下)に問題のある患者さんのリハビリを支えます。日本臨床栄養代謝学会が認定する「NST専門療法士」の資格を持つ管理栄養士、看護師、臨床検査技師、放射線技師などが栄養・食事面のサポートを行う病院もあります。

外来や在宅でも多職種支援活用を

外来で栄養相談、看護相談、リハビリなどを行う病院も増えています。また、在宅医療を受けている患者さんに対しても、在宅訪問管理栄養士、訪問看護師、理学療法士、医師、薬剤師などが栄養状態や身体機能の維持を多職種でサポートしています。

監修:
  • 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学
    教授 髙山浩一先生