1原発不明がんについて

どのような症状が現れますか?

患者さんによって異なります。転移した臓器に関連した症状が出る場合もありますが、症状がほとんどない場合もあります。

原発不明がんでは、全員に共通する特徴的な症状はなく、がんが転移した部位によって現れる症状が異なります。
たとえば、リンパ節に転移している場合は、首のまわり(頸部けいぶ)、わきの下(腋窩部えきかぶ)、足の付け根(鼠径部そけいぶ)などに、しこりができることがあります。 骨に転移している場合は、痛みやしびれ、骨折が起こりやすくなります。ただし、自覚症状がほとんどない場合も多く、健康診断や他の病気の検査で、偶然発見されることも珍しくありません。

転移した部位と主な症状

転移した部位 主な症状
首のまわり、わきの下、
足の付け根のリンパ節
リンパ節のれ・しこり
(通常は痛みを伴わない)
痛み、しびれ、骨折(病的骨折)
胸膜きょうまく(肺をおおう膜)・
腹膜ふくまく(腹部の臓器をおおう膜)
胸水きょうすい(肺のまわりに水が溜まる)・
腹水ふくすい(お腹の中に水が溜まる)
肺・肝臓 (通常は進行するまで無症状)
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首まわりのしこり
九州大学病院がんセンター ホームページ「九州大学病院のがん診療/原発不明がん」より作成
https://www.gan.med.kyushu-u.ac.jp/result/cancer_of_unknown_primary/
監修:
千葉大学大学院医学研究院 臨床腫瘍学 教授
滝口 裕一 先生

(2024年1月作成)