原発不明がん トップ 1 原発不明がんについて 原発不明がんとは、どんな病気ですか? どのような症状が現れますか? 原発巣がわからないのは、どうしてですか? 2 原発不明がんの検査と診断 原発不明がんの診断では、どんな検査が行われますか? 3 原発不明がんの治療 治療方針は、どのように決められますか? 治療法には、どのようなものがありますか? 薬物療法とは、どのような治療法ですか? 放射線療法とは、どのような治療法ですか? 緩和ケアとは、どのような治療ですか? 4 確認ポイント 原発不明がんの治療を受ける前に知っておきたいことについて教えてください 2原発不明がんの検査と診断 原発不明がんの診断では、どんな検査が行われますか? 原発不明がん 検査・診断 入念な診察と画像検査で原発巣の手がかりを探します。さらに病理検査で、がん細胞の性質を詳しく調べます。 まずは病歴の聞き取りを含めた詳しい問診や診察で、原発巣の手がかりを探します。胸部X線やCT、女性ではマンモグラフィによる乳房の画像検査を行って、がんがある部位や広がりの程度などを調べます。さらに、がんの組織を「生検」で採取し、「病理検査」でがん細胞のタイプ(組織型や性質)を詳しく調べます。病理検査は、原発巣の特定だけでなく、今後の治療法を選択するうえでも大切です。これらの検査を受けても原発巣が特定できない場合は、「原発不明がん」と診断され、必要な治療へと進みます。 日本臨床腫瘍学会編:原発不明がん診療ガイドライン 改訂第2版, p2-4, 南江堂, 2018安藤正志:原発不明がん〜どのように取り扱えば良いのか、診断から治療までの流れ〜, p.30-33, 医学と看護社, 2021 原発不明がんの診断に必要な検査の種類 ① 問診・診察各種の検査で原発巣を探索します 詳しい病歴の聴取(家族歴も含みます) 身体所見を確認(頭頸部、乳房、婦人科領域、泌尿器科領域の診察/直腸診を含みます) 血液検査・尿検査(腫瘍マーカーや細胞診を含みます) 便潜血検査 ② 画像検査がんがある部位や広がりを確認します 胸部レントゲン、胸部および腹部・骨盤CT、MRI 女性はマンモグラフィ・乳房超音波検査 必要に応じてPETペット検査や内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)を追加 ③ 病理検査がん細胞のタイプ(組織型や性質)を調べます 病理医が、がん細胞の組織型や性質を詳しく調べます。 原発巣を推定するために、免疫組織染色マーカーによる組織検査が行われます。 必要に応じて遺伝子検査や染色体検査が行われることもあります。 がん細胞の組織型について 組織型とは、がん細胞の形やがん細胞が集まった組織の状態から、がんを分類したものをいいます。原発不明がんは、「高・中分化腺せんがん」「低分化腺がん、未分化がん」「扁平上皮へんぺいじょうひがん」「神経内分泌腫瘍」「低分化悪性新生物」の5つのタイプに分けられます。このうち、もっとも多いのが「高・中分化腺がん」で、全体の約60%を占めています。 日本臨床腫瘍学会編:原発不明がん診療ガイドライン 改訂第2版, p2, 20-28,南江堂, 2018安藤正志:原発不明がん〜どのように取り扱えば良いのか、診断から治療までの流れ〜, p10-16, 30-33, 医学と看護社, 2021 監修: 千葉大学大学院医学研究院 臨床腫瘍学 教授滝口 裕一 先生 (2024年1月作成) 原発巣がわからないのは、どうしてですか? 治療方針は、どのように決められますか? 原発不明がん トップに戻る