あなたと一緒に、がんと向き合う
診断・告知

確定診断(生検)に至るまでの不安
~40歳女性 乳がんの疑いがある場合~

Aさん:40歳 女性
会社員。会社のがん検診でマンモグラフィを受け、要精密検査となる。夫、子供2人(高校生と小学生)と住んでいる。

会社のがん検診で「そろそろがん年齢だから」とマンモグラフィを受けたAさん。実は母方のおば2人がそれぞれ30代と50代で乳がんの全摘手術をしています。その経験もあって、Aさんは検診結果に記載されていた「要精密検査」の文字にすっかり怯えてしまいました。

40歳女性

「うちはがん家系だし、私もがんになるんだわ」と吐き気が…

「検査結果を見たとたん『要精密検査』という文字が目に飛び込んできました。うちはがん家系だから、やっぱりというあきらめと乳房を切られる!という恐れがぐるぐるして吐き気がしました。検査を受けたほうがよいのはわかっているけれど…」(Aさん)。

がんの家計

現代は、2人に1人ががんになる時代です。がんサバイバー(経験者)の親族がいることも珍しくありません。またAさんのように本人から見て第2度近親内(きょうだい、両親から祖父母、おじ、おば、めい、おい、孫までの範囲の血縁関係を指します)に、40歳未満で乳がんになった人がいる場合は、乳がんの原因遺伝子を持っている可能性がありますが1)、たとえがんが見つかったとしても早期発見の場合、完治することもあります。

また、インターネット社会では家族性のがんについてのさまざまな情報が目につき、不安を加速させてしまうこともあるでしょう。漠然とした未来に対する不安や恐れを感じ、気分が上下することはとても自然なことです。ことに身近にがんの経験者がいる場合は、そのときに生じた混乱を思い出して生々しい感情に襲われるかもしれません。でも、それはあなた自身の体験ではありません。そんなときはまず、ゆっくり深呼吸をして「今ここで元気な自分」に意識を向けてください。また考えすぎは物事の捉え方を狭め、極端な判断や否定的な思考に陥るもとです。「今日はもう、考えない!」と声に出して一旦、気持ちを切り替えましょう。

生検の受診に迷いがある場合は、医療者やがんの経験者に相談してみましょう

精密検査(生検)を受けようか、どうしようか迷っているときは、まず医療者に「怖い」などの気持ちをためらわずに伝えて相談してみてください。がんの経験者に話を聞いてみるのもよいでしょう。きっとその方も怖いや辛いといった気持ちを抱えながら、その時々で自分にできる最良の選択を繰り返してきたと思いますので、参考になるでしょう。また自分の大切な家族や友人が同じ状況に陥っていたら、何と声をかけてあげるのかを考えてみるとよいかもしれません。おそらく「あなたの怖い気持ちはよくわかるよ。でも、これからの自分のために少しだけ勇気を持って、精密検査を受けた方がよいと思うよ」と伝えるのではないでしょうか。

1)国立がん研究センター がん情報サービス 遺伝性腫瘍・家族性腫瘍
https://ganjoho.jp/public/cancer/genetic-familial/index.html
監修:
埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター 精神腫瘍科
教授 大西 秀樹 先生