4腎細胞がんの検査と診断
診断には、どんな検査が必要になりますか?
腎細胞がんは画像検査により診断されます。そのほか、腎臓の機能や全身状態の評価などのため、血液・尿検査を行います。
腎細胞がんには、血液中にがんの目印となるような特定の物質(腫瘍マーカー)がないため、その診断には「画像検査」が不可欠です。画像検査にはいくつか種類があり、それぞれ適した場面で使われます。
腎細胞がんは、画像による病期診断で治療に移ることがほとんどですが、薬物療法の効果を予想するために「生検」で組織型を確認する場合もあります。

診断に必要な検査

主な画像検査
検査の種類 | 特徴 |
---|---|
超音波検査 (エコー検査) | 腎細胞がんの診断にあたり最初に行われる検査です。体に負担をかけず何度でも行えるので、スクリーニング検査に適しています。 |
CT検査 | X線を使って体の断面を撮影する検査です。体内の細かな情報を得ることができ、がんの広がりを確認するうえでも有用です。 |
MRI検査 | 強い静磁場と電磁波で断層画像を撮影します。CT装置が使用できない場合に行われるほか、脳転移に対する検査としても行われます。 |
骨シンチグラフィ | 放射性薬剤を使って、体に負担なく骨の代謝の変化を画像化します。 腎細胞がんは骨に転移することも多いため、骨転移の有無を調べる際に行われます。 |


腎癌のすべて 基礎から実地診療まで 改訂第2版, p83-103. メジカルビュー社, 2014
- 監修:
- 九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生