1腎細胞がんについて

腎細胞がんの患者数はどれくらいですか?

日本では、1年間で人口10万人あたり男性8.2人、女性3.7人が発症するといわれています1)

腎細胞がんを発症している人の割合(罹患率りかんりつ)は年々増加しており、1997年から2002年で約16%増加しています。
この増加は、健診や他の疾患で受けた検査の精度が向上したことが大きな要因と考えられています。また、透析患者さんが増加したことや、人口の高齢化、ライフスタイルや環境の変化なども要因として挙げられています。
男女比は2.7対1と男性の方が多く発症します。年代別の罹患率は70歳代前半が最も多く、50~60歳代から増加していきます。

※透析患者さんの腎細胞がんの年間発症率は、一般の患者さんに比べて約15倍高いことが報告されています2)

日本における腎細胞がんになった人の
年代別の割合

腎細胞がんの、人口10万人あたりの年齢特異的罹患数のグラフ。日本における腎細胞がんは男性に多く、50代60代から増加し70歳代前半が最も多いです。

※腎癌研究会による2002 年集計
新たに診断された腎細胞がん患者さん:7,405 人(男性5,063 人、女性2,342 人)
粗罹患率(人口10 万人あたり):男性8.2、女性3.7

1)インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p30-34. 医薬ジャーナル社, 2011
2)日本透析医学雑誌. 2005;38:1689-1700.
監修:
九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生

(2023年4月作成)