6腎細胞がんの手術
腎細胞がんの手術について教えてください
手術は最も基本となる治療法です。手術方法や切除範囲は、がんの大きさや広がりなどをもとに決められます。
腎細胞がんでは、病期にかかわらずがんになった側の腎臓を手術で摘出するのが一般的で、遠隔転移がみられるⅣ期であっても手術の適用となります。
腎細胞がんの手術は、切除範囲によって大きく次の2つに分けられます。
- 「
根治的腎摘除術 」:がんのある腎臓ごと切除する方法です。 - 「
腎部分切除術 」:がんが4cm以下と小さい場合に考慮される手術法です。
がんが4cm以上でも、すでに片方の腎臓が失われていたり、がんではない側の腎臓の機能が低下している場合は、部分切除術が選択されます。手術の方法は、おなかを切開する「

日本泌尿器科学会編:腎癌診療ガイドライン2017年版, p38-42. メディカルレビュー社, 2017
切除範囲
- 根治的腎摘除術
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がんのある腎臓ごと切除する、腎細胞がんでは一般的な手術法です。副腎は、がんから離れていれば残すこともあります。
- 腎部分切除術
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がんのある部分を周囲から切除します。がんが4cm以下の場合、腎臓が1つしかない場合、がんのない側の腎臓の機能が悪い場合などに行われます。
手術の方法
- 開腹手術
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腹部、またはわき腹を切開して患部を切除する手術法です。
- 腹腔鏡下手術
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腹部などに小さな孔(ポート)をあけ、カメラや鉗子を通して患部を切除する手術法です。
- 監修:
- 九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生