手術は最も基本となる治療法です。手術方法や切除範囲は、がんの大きさや広がりなどをもとに決められます。
腎細胞がんでは、病期にかかわらずがんになった側の腎臓を手術で摘出するのが一般的で、遠隔転移がみられるⅣ期であっても手術の適用となります。
腎細胞がんの手術は、切除範囲によって大きく次の2つに分けられます。
- 「根治的腎摘除術」:がんのある腎臓ごと切除する方法です。
- 「腎部分切除術」:がんが4cm以下と小さい場合に考慮される手術法です。
がんが4cm以上でも、すでに片方の腎臓が失われていたり、がんではない側の腎臓の機能が低下している場合は、部分切除術が選択されます。
手術の方法は、おなかを切開する「開腹手術」と、おなかに開けた小さな孔から行う「腹腔鏡下手術」があります。腹腔鏡下手術では、手術用のロボットを遠隔操作して行う「ロボット支援手術」もあります。さらに、がんが小さい場合は「経皮的凍結療法」や「ラジオ波焼灼術」などの治療法が検討されることがあります※。
どの方法を選択するかは、がんの大きさやがんのある位置、周囲の組織への広がりの程度、患者さんの状態などをもとに決められます。
※これらは体の外から特殊な針をがんに直接刺して、凍らせたり、熱でがん細胞を死滅させる局所的な治療法で、高齢の方や重い合併症がある方、手術を希望しない方などに選択されることがあります。
国立がん研究センターがん情報サービス「腎細胞がん」
日本泌尿器科学会編:腎癌診療ガイドライン2017年版,メディカルレビュー社, 2019年5月改訂版(2020年6月小改訂)