5腎細胞がんの治療方針

治療法には、どのようなものがありますか?

手術による外科切除と、薬物療法による全身治療があります。
転移巣については、放射線療法が検討されることもあります。

腎細胞がんの治療は「手術」による外科切除が主体となります。がんのある腎臓ごと切除する腎摘除術(根治的腎摘除術こんちてきじんてきじょじゅつ)が基本ですが、がんが小さい場合は腎部分切除術も検討されます。
がんが他の臓器に転移していたり、手術による治療が行えない患者さんについては薬物療法が考慮されます。
放射線療法については、腎細胞がんに対しては治療効果が低いため中心的な治療として使われることはなく、通常は、転移巣に対して一時的にがんの進行を抑制したり、痛みなどの症状を緩和する目的で用いられます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることもありますので、詳しくは主治医に確認してください。

治療の概略

腎細胞がんの治療の概略図。Ⅰ期、Ⅱ期は手術(腎摘除術・腎部分切除術)、Ⅲ期は手術(腎摘除術)、Ⅳ期は、手術(腎摘除術・転移巣切除術)や薬物療法や放射線療法を行います。Ⅲ期、Ⅳ期は、手術前に分子標的薬による薬物療法を行うこともあります。
国立がん研究センターがん情報サービス「腎細胞がん」、
日本泌尿器科学会編:腎癌診療ガイドライン2017年版, メディカルレビュー社2019年5月改訂版(2020年6月小改訂)
を参考に作図
監修:
九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生

(2023年4月作成)