腎実質にある尿細管の細胞に発生するがんで、腎臓にできるがんの約9割を占めます。
腎臓は、尿をつくる部分(腎実質)と、尿が集まる部分(腎盂)に大きく分けられます。腎細胞がんとは、腎実質にある尿細管の細胞ががん化したものをいい、腎臓にできるがんの約9割を占めています。基本的に〝腎がん〟といえば、腎細胞がんを指します。
多くの場合、初期にはほとんど症状がみられません。
腎細胞がんは、小さなうちは症状がほとんどありません。このため、以前は早期に発見することが難しいがんとされていました。しかし、最近は健康診断や人間ドック、他の病気の検査などによって、早期の段階で偶然見つかるケースが増えており、現在では、腎細胞がんの約70%が無症状のうちに発見されています。
腎細胞がんの主な症状
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p36-38, 60-61. 医薬ジャーナル社, 2011
腎癌のすべて 基礎から実地診療まで 改訂第2版, p73-74. メジカルビュー社, 2014
治療ガイド
- 腎臓の位置と構造
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- 腎臓は、腰のやや上に左右1つずつあり、大人のこぶしくらいの大きさをした臓器で、そら豆のような形をしています。
- 1つの重量は約120~150gです。
- 腎臓の主な機能
- 腎臓の主な機能は尿を生成することです。成人男性では体の約60%、成人女性では体の約50%は体液で構成されています。尿を生成することで、体内の水分量や組成バランスを調整したり老廃物などを排泄し、体液を常に同じ状態に維持しています。
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p10-13. 医薬ジャーナル社, 2011
腎・泌尿器疾患ビジュアルブック第2版, p2-5. 学研メディカル秀潤社, 2017
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監修:
- 九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生