2腎細胞がんの種類

腎細胞がんにはどんな種類がありますか?

腎細胞がんは、いくつかのタイプ(組織型)に分けられます。最も多いのが「淡明たんめい細胞型腎細胞がん」です。

腎細胞がんは、細胞の形や、その集まり方などによって、いくつかの組織型に分けられます。
最も多くみられるのは「淡明細胞型腎細胞がん」で、腎細胞がんの約70~85%を占めます。これらの組織型は混在することもありますが、最も優勢な組織型をもって分類されます。

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組織型の種類 特徴
淡明細胞型腎細胞がん 腎細胞がんの中で最も多い組織型です。ときにがんが腎静脈内に進展することがあります。
多房嚢胞性たぼうのうほうせい腎細胞がん 多数の小嚢胞しょうのうほうが集まって腫瘤しゅりゅうをつくっているがんです。予後は極めて良好です。
乳頭状にゅうとうじょう腎細胞がん がん細胞が、乳頭状の構造をとって並んでいるのが特徴で、約10~15%を占めています。タイプ1とタイプ2に分類され、タイプ1の方がタイプ2より予後が良好です。
嫌色素性けんしきそせい腎細胞がん 腎がんの約5%を占めていて、予後は比較的良好とされています。
紡錘ぼうすい細胞がん
肉腫様にくしゅようがん)
通常、他の腎細胞がんに合併します。頻度は非常に少なく、最も予後不良とされています。
集合管しゅうごうかんがん
(ベリニ管がん)
頻度は1%未満と少ないものの、異型度が高く予後不良とされています。

※異型度:ある細胞の形が正常な細胞とどのくらい異なっているかを示す度合いのこと

インフォームドコンセントのための図説シリーズ 腎がん 改訂版, p14-20, 医薬ジャーナル社, 2011
腎癌のすべて 基礎から実地診療まで 改訂第2版, p9, 60-66, メジカルビュー社, 2014
監修:
九州大学大学院 医学研究院
泌尿器科学分野 教授
江藤 正俊 先生

(2023年4月作成)