3肝細胞がんの検査と診断

肝細胞がんは、CT検査やMRI検査などの画像検査をもとに診断を確定します。

B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変がある方、またはウイルス感染を伴わない肝硬変と診断された方は、3~6ヵ月ごとに定期的な超音波(エコー)検査や腫瘍マーカー検査を受けることが勧められています。
肝細胞がんが疑われる場合や、定期的に受ける超音波(エコー)検査でしこりが見つかった場合、または腫瘍マーカーの値が上昇した場合などには、CT検査やMRI検査による画像検査を受けます。
CT検査やMRI検査などの画像検査で悪性か良性かの判断が難しい場合には、病変の一部を採って詳しく調べる生検が行われることがあります。

CT
国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん)」

主な検査の種類と内容

検査の種類内容
超音波(エコー)検査体の表面にあてた器具から超音波を出し、臓器で反射した超音波の様子を画像化して観察する検査です。がんの大きさや個数、がんと血管の位置、がんの広がり、肝臓の形や状態、腹水の有無を調べます。
腫瘍マーカー検査腫瘍マーカーとは、がんの種類によって特徴的に作られるタンパク質などの物質で、がん細胞やがん細胞に反応した細胞によって作られます。血液中にこのタンパク質が増えていないかを確認します。
CT検査いろいろな方向から体にX線をあてて、水分、骨、脂肪、空気など体の中の成分によるX線吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にすることができます。
MRI検査強力な磁力と電波を使い、磁場を発生させて行われる検査で、体の内部の断面をさまざまな方向から画像にすることができます。
生検病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査です。生検組織診断とも呼ばれます。がんであるかどうか、悪性度はどうかなど、病理医が病変について詳しく調べて診断を行います。
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国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん)」「がんに関する用語集」「がんの検査について」
監修:
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 院長
黒崎 雅之 先生

(2025年6月作成)