肝臓の主な細胞である肝細胞が、がん化することで起こる腫瘍です。
肝臓に発生する悪性腫瘍には、肝臓そのものから発生する「原発性肝がん」と、他の臓器からがん細胞が移ってきて肝臓で発生する「転移性肝がん」があります。
原発性肝がんは、肝細胞ががん化する「肝細胞がん」と「肝内胆管がん」に分けられます。日本では原発性肝がんの約90%は肝細胞がんです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、自覚症状があらわれない場合もあります。
炎症やがんがあっても、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、がんが進行すると、腹部にしこりや圧迫感、痛みが生じることがあります。
肝細胞がんは、B型肝炎、C型肝炎、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患、アルコール関連肝疾患などの慢性肝疾患が原因で起こることが多く、肝機能が低下することで黄疸、むくみ、かゆみなどの症状が現れることがあります。
肝細胞がんの主な症状

国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん)」
永井英成 監「ウルトラ図解 肝炎・肝硬変・肝がん」p12-15, 法研, 2022.
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監修:
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日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 院長
黒崎 雅之 先生