5肝細胞がんの手術

手術には、どのようなものがありますか?

肝臓の一部を取り除く「肝切除」と、すべて取り出し臓器提供を受ける「肝移植」があります。

手術を行うかどうかは、Child-Pugh分類がAまたはBで肝機能の評価が良い場合、切除後に肝臓の量をどれだけ残せるかによって判断します。また、Child-Pugh分類Cでは肝移植が勧められています。
肝機能やがんの状態により、手術内容は異なります。

肝切除

がんとその周囲の肝臓の組織を手術によって取り除く治療法です。
切除の方法は、がんがある場所や肝機能の状態に応じて異なり、小さい範囲の切除から、広い範囲の切除までさまざまです。
がんの位置や数によっては、おなかに小さな穴をいくつか開け、そこから手術器具などを挿入して行う「腹腔鏡下手術」や「ロボット手術」が可能な場合もあります。

肝移植

肝臓をすべて取り出して、ドナー(臓器提供者)からの肝臓を移植する治療法です。日本では、主に近親者から肝臓の一部を提供してもらう「生体肝移植」が行われています。また、近年では脳死後のドナーから肝臓を提供してもらう「脳死肝移植」も行われるようになっています。

国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん)」
監修:
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 院長
黒崎 雅之 先生

(2025年6月作成)