7塞栓療法

塞栓療法とは、どのような治療ですか?

がんに栄養を送る血管をふさぐことで、がんを死滅させる治療法です。

X線を使って体の中を透かして見ながら、鼠径部そけいぶ(足の付け根)や肘、手首の動脈から肝動脈まで入れたカテーテルを、標的となるがんの近くまで進めて行う治療です。この方法には「肝動脈化学塞栓療法(TACE)」と「肝動脈塞栓療法(TAE)」があります。
この治療は、Child-Pugh分類のAまたはBのうち、大きさが3cmを超えた1~3個のがん、もしくは、大きさに関わらず4個以上のがんがあり、手術や穿刺局所療法の対象とならない場合に行われます。がんが広い範囲にある場合は、複数回に分けて行われることがあります。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)

鼠径部あるいは肘や手首の動脈からカテーテルを入れ、血管造影しながら先端を肝動脈まで挿入し、細胞障害性抗がん薬と肝細胞がんに取り込まれやすい造影剤を混ぜて注入した後、肝動脈をふさぐ塞栓物質を注入する治療法です。肝動脈をふさぐことで、がんへの血流を減らし、細胞障害性抗がん薬によりがん細胞の増殖を抑えます。

肝動脈塞栓療法(TAE)

鼠径部あるいは肘や手首の動脈からカテーテルを入れ、血管造影しながら先端を肝動脈まで挿入し、塞栓物質のみを注入する治療法です。人工的に肝動脈をふさぐことで、血流が減り、がんに栄養が運ばれなくなります。

肝動脈塞栓療法(TAE)
国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん)」より作成
監修:
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 院長
黒崎 雅之 先生

(2025年6月作成)