2上皮系皮膚がんの検査と診断

診断にはどのような検査が必要ですか？

多くの場合、下に示した図の流れに沿って、皮膚科専門医がさまざまな検査を行います。

上皮系皮膚がんと診断するには、まず肉眼やダーモスコピーによる観察を行います（「主な検査方法」を参照）。そして確定診断のために、病変から採取した組織を顕微鏡で調べる生検が行われますが、診断が明らかであれば、生検を省略する場合もあります。確定診断に至ったら、他の部位への転移の有無を調べるための画像検査（CT、MRI、PETペット、X線検査、超音波検査など）や、心肺機能、腎機能などを調べる検査が行われます。

検査・診断の流れ

＊生検については「主な検査方法」をご参照ください。

主な検査方法

ダーモスコピー

ダーモスコピーとは、エコージェルや偏光レンズ^※で光の乱反射を抑え、強い光線を照射することにより皮膚病変を10～30倍に拡大して観察する機器（ダーモスコープ）を使った診断法です。ダーモスコープを使用すると、色素沈着の状態が詳しく診察でき、色のつき方や血管のパターンでほくろやシミと悪性黒色腫や基底細胞がんなどを見分けるのに役立ちます。

※エコージェルや偏光レンズ：色素分布や色合いがよく観察できるように用いられます。

皮膚生検

確定診断のために、病変を切除して、採取した組織を顕微鏡で調べる生検が行われることがあります。手術で腫瘍全体を切除し、腫瘍の組織を調べる全切除生検と、病変の一部を切除して調べる部分生検があります。皮膚生検の結果は通常約2週間で明らかになります。肉眼所見やダーモスコピーで診断が明らかであれば、生検を行わない場合もあります。