4上皮系皮膚がんの治療

薬物療法とは、どのような治療法ですか?

薬剤を使って、がん細胞の増殖を抑えたり消滅させることを目的とした治療法です。薬が体のすみずみまで行き渡ることで、全身に広がったがんに対しても作用を示します。

薬物療法は、薬を使って行う全身的な治療で、上皮系皮膚がんでは、手術による治療が難しい患者さんや、全身にがんが広がっている患者さんに対して、化学療法(抗がん剤)やがん免疫療法などが検討されます。

化学療法(細胞障害性抗がん剤)

細胞障害性抗がん剤は、主に細胞が分裂する増殖過程に作用してDNAの合成を妨げたりその機能を障害することで、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。
上皮系皮膚がんでは、手術による治療が難しい場合の選択肢のひとつとして軟膏の化学療法剤が使用されることがあります。

がん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)

がん免疫療法は、もともと体内に備わっている患者さん自身の免疫の力を利用して、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。上皮系皮膚がんに対しては、「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる治療薬が用いられています。

点滴を受ける患者さん
がん化学療法ケアガイド 第3版 p.26, 中山書店, 2020.
国立がん研究センター がん情報サービス「薬物療法 もっと詳しく」「免疫療法」
皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン2021[日皮会誌. 131(6): 1467-1496, 2021.]
監修:
新潟県立がんセンター新潟病院 副院長
竹之内 辰也 先生

(2024年2月作成)