4上皮系皮膚がんの治療

治療にはどのようなものがありますか?

がんの種類によって異なりますが、手術などの局所療法が主体となります。

皮膚のどこから発生したかによって、特徴や治療が異なりますが、いずれの上皮系皮膚がんも、手術などの局所治療が主体となります。そして、手術による治療が難しい場合は、放射線療法や、お薬を使った全身的な治療である「薬物療法」が考慮されます。

有棘細胞がん1,2)

有棘細胞がんに対しては手術を中心とした治療が標準となります。しかし、手術ができない場合や、生活する上での機能面や整容面から手術が望ましくない場合、さらにがんが広がっている場合などでは、放射線療法が検討されます。薬物療法は、悪性黒色腫やその他の皮膚がんと比較してあまり有効でないといわれており、標準治療はありませんが、手術で取りきれない場合や、転移があった場合には行うことがあります。

基底細胞がん2,3)

基底細胞がんは転移を起こすことはまれで、手術で90〜99%の治癒率が得られるといわれているため、原則として手術が治療の第一選択となります。放射線治療は手術ができない場合の選択肢とされ、術後療法として放射線治療を行う場合もあります。再発を繰り返したり、転移を起こした場合などは薬物療法を行うこともあります。また、低リスクの基底細胞がんに対する治療法としては、軟膏などその他の治療法が検討される場合もあります。

乳房外パジェット病2,4)

がんが皮膚の表面だけにとどまっている場合が多く、治療は手術が第一選択となります。広範囲切除を原則とし、多くは皮膚移植を要します。手術ができない場合に放射線療法が検討されることがあります。また、手術で取りきれない場合や再発した場合は、薬物療法が検討されます。

皮膚付属器がん(汗腺がん、脂腺がんなど)5)

可能であれば手術が検討されます。進行期の皮膚付属器がんに対しては、一般的に有棘細胞がんに準じて、放射線療法や薬物療法などを行います。領域リンパ節転移を有する症例に対してはリンパ節郭清術を行います。遠隔転移が生じた場合は、単発の病変で切除が可能であれば手術を行うこともあります。

1)皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 有棘細胞癌診療ガイドライン2020[日皮会誌. 130(12): 2501-2533, 2020.]
2)新潟県立がんセンター新潟病院「皮膚科のがん」
3)皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン2021[日皮会誌. 131(6): 1467-1496, 2021.]
4)皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 乳房外パジェット病診療ガイドライン2021[日皮会誌. 131(2): 225-244, 2021.]
5)浅井 純.京府医大誌.125(6): 379-388, 2016.
監修:
新潟県立がんセンター新潟病院 副院長
竹之内 辰也 先生

(2024年2月作成)