4非小細胞肺がんの検査と診断

診断には、どんな検査が必要になりますか?

採取した組織や細胞を詳しく調べる病理検査で、診断を確定します。

肺がんのスクリーニング検査(胸部X線検査、胸部CT検査、喀痰かくたん細胞診など)で肺がんが疑われた場合は、気管支鏡検査や生検などで採取した組織や細胞を顕微鏡で詳しく調べる病理検査を行って、がん細胞の有無やがんの種類を確認します。

確定診断で行われる主な検査法
喀痰細胞診検査 痰を採取して、顕微鏡でがん細胞の有無を確認する検査です。
気管支鏡検査 細い内視鏡を口や鼻から挿入し、気管支の内部を観察します。がんの疑いがある病変が観察されたら、組織や細胞を採取します。
生検 がんの疑いがある病変の一部を採取して、顕微鏡で調べ、がん細胞の有無やがんの種類を確認します。
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気管支鏡検査
気管支鏡検査(イメージ図)

画像検査では、がんの広がりや遠隔転移の有無を確認して、病期を判定します。

がんの広がりを調べる画像検査では、胸部造影CTが多く用いられます。また肺がんは、進行すると脳や骨、肝臓など離れた臓器に転移することがあるため、必要に応じて頭部MRI、PETペット検査、骨シンチグラフィーなどの画像検査を行ってがんの広がりや遠隔転移の有無を確認し、病期の判定に役立てます。

がんの広がりを調べる主な検査法
胸部造影CT検査
(コンピュータ断層撮影法)
X線を利用して体の断面を映し出し、病変の分布や大きさを調べます。リンパ節や肝臓、副腎などへの転移の有無も確認します。
MRI検査
(磁気共鳴画像法)
放射線を使わずに磁気を用いて病巣を映し出します。主に脳転移の有無を調べます。
PET検査
(陽電子放射断層撮影法)
ブドウ糖に似た性質の薬剤を注射し、その取り込みの分布を撮影することで、全身の転移の有無を調べます。
骨シンチグラフィー 放射性物質(アイソトープ)を注射し、その骨への取り込みの分布を見て骨転移の有無を調べます。
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インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p47-75, 医薬ジャーナル社, 2017
健康ライブラリーイラスト版 肺がん, p28-35, 講談社, 2013
監修:
近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授
中川 和彦 先生

(2023年3月作成)