3非小細胞肺がんの病期

病期(ステージ)とはなんですか?
どのように決められますか?

病期とは、病気の進行の程度を示したもので、治療方針を立てるうえで重要な判断材料となります。

肺がんの病期は、がんの大きさや広がり、リンパ節への転移、遠隔転移の状況によって、大きくI期からⅣ期の4段階に分けられます。
I期はがんが肺の中に留まり、リンパ節への転移はない状態、Ⅱ期はリンパ節転移はないが、肺の中のがんが大きい、またはがんと同じ側の肺門リンパ節に転移している状態、Ⅲ期は肺の周りの組織や重要な臓器に広がり、リンパ節にも転移している状態、Ⅳ期は離れた臓器に転移していたり、胸水にがん細胞がみられる状態です。
数字が大きいほど、また、同じ病期ではA、B、Cの順にがんが進んでいることを示しています。

説明する医師と患者さんのイラスト

非小細胞肺がんの病期(ステージ)分類/一部抜粋

  • Ⅰ期

    がんが肺の中に留まり、リンパ節への転移はない状態

    非小細胞肺がんの病期ⅠA期とⅠB期の図。ⅠA期は腫瘍の大きさが3cm以下。ⅠB期は腫瘍の大きさが3〜4cm以下。
  • Ⅱ期

    リンパ節転移はないが、肺の中のがんが大きい。またはがんと同じ側の肺門リンパ節に転移している

    非小細胞肺がんの病期ⅡA期とⅡB期の図。ⅡA期は腫瘍の大きさが4〜5cm以下。ⅡB期は腫瘍の大きさが5〜7cm以下、または腫瘍の大きさが5cm以下で周りの組織(胸壁、横隔膜)に浸潤している。
  • Ⅲ期

    がんが肺の周りの組織や重要な臓器(横隔膜、胸壁、心臓、大血管、気管、食道など)に広がり、リンパ節にも転移している

    非小細胞肺がんの病期ⅢA期とⅢB期の図。ⅢA期は横隔膜、胸壁、心臓、大血管、気管、食道などに浸潤しており、がんと同じ側の肺門リンパ節や縦隔リンパ節に転移している。ⅢB期は横隔膜、胸壁、心臓、大血管、気管、食道などに浸潤しており、がんと反対側の肺門リンパ節や縦隔リンパ節、肺や首の付け根のリンパ節に転移している。
  • Ⅳ期

    肺の中の別の場所や、骨、脳、肝臓などに遠隔転移があったり、胸水にがん細胞がみられる

    非小細胞肺がんの病期Ⅳ期の図
日本肺癌学会編: 臨床・病理 肺癌取扱い規約 第8版補訂版, 金原出版, 2021,
NPO法人キャンサーネットジャパン:もっと知ってほしい肺がんのこと, p7, 2017,をもとに作成
監修:
近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授
中川 和彦 先生

(2023年3月作成)