肺がん トップ 1 肺がんについて 肺がんとはどんな病気ですか? 治療メモ 肺の名称と役割について教えてください 肺がんの患者数はどれくらいですか? 2 肺がんの種類 肺がんには、どんな種類がありますか? 3 非小細胞肺がんの病期 病期(ステージ)とはなんですか? どのように決められますか? 4 非小細胞肺がんの検査と診断 診断には、どんな検査が必要になりますか? 5 非小細胞肺がんの治療方針 治療方針は何をもとに決められますか? 6 手術について どのような手術が行われますか? 7 放射線療法について 放射線療法は、どのように進められますか? 放射線療法を受けるにあたり、日常生活で注意することはありますか? 8 薬物療法について 薬物療法とは、どのような治療ですか? 薬物療法で使われる薬の副作用と知っておきたい対処法について教えてください 9 再発した場合について 再発した場合は、どうしたらよいですか? 10 治療後の経過観察について 治療が終了したあとの検査について教えてください 11 確認ポイント 肺がんの治療を受ける前に知っておきたいことについて教えてください 8薬物療法について 薬物療法で使われる薬の副作用と知っておきたい対処法について教えてください 肺がん 薬物療法 症状・副作用対策 副作用の種類や程度は、薬剤の種類や量によって異なります。治療中や治療後に、いつもと違う体調の変化を感じたら、医師や薬剤師、看護師にすぐに相談しましょう。 抗がん剤 非小細胞肺がんの治療で使用される抗がん剤の主な副作用 悪心おしん(吐き気)・嘔吐、食欲不振、倦怠感、骨髄抑制(白血球減少など)、脱毛、口内炎、下痢、腎障害、末梢神経障害、皮疹などです。これらの出現時期はだいたいわかっており、状況に応じて、副作用を軽減させる薬を使うなど体調管理の対策を講じながら治療を進めます。 吐き気や嘔吐への対処法 吐き気や嘔吐は、起きてから対処するより予防することが大切です。医師から処方された吐き気止めの薬は、指示どおり服用しておきましょう。 吐き気が起きた場合は、番茶、レモン水、炭酸水、氷水などでうがいすると落ち着くことがあります。氷片などを口に含むのもよいでしょう。 白血球減少に伴う感染症の対処法 うがいや手洗いを徹底しましょう。 外出時はマスクをし、できるだけ人混みを避けましょう。 入浴やシャワー、歯みがきなどを心がけて、身体を清潔に保ちましょう。 刃のあるカミソリは肌を傷つけやすいので、ひげ剃りは電気カミソリを使用して、切り傷を予防しましょう。 口内炎の対処法 虫歯、歯肉炎がある場合は抗がん剤投与前に治療しておきましょう。 口腔内や唇の乾燥予防に、うがいをしたり、リップクリームを使用して保湿しましょう。 こまめにうがいをしましょう。やわらかい歯ブラシでていねいにみがきましょう。 熱いものは冷ましてから食べましょう。 脱毛のケア 抗がん剤投与から2~3週間後に抜け始めます。あらかじめ髪を短く切っておくと脱毛時のショックが和らぎ、脱毛時の処理も楽になります。 抗がん剤の治療が終われば、多くの場合3~6ヵ月後には生えてきます。帽子やバンダナ、医療用かつらなどを使って上手に対処するとよいでしょう。 がん化学療法レジメンハンドブック 改訂第5版, 羊土社, 2017国立がん研究センター がん情報サービス「 さまざまな症状への対応」静岡県立静岡がんセンター「患者支援・相談ー抗がん剤治療と脱毛」 分子標的薬 非小細胞肺がんの治療で使用される分子標的薬の主な副作用 分子標的薬は、従来の抗がん剤ではみられない特有の副作用が生じることがあります。主な副作用としては、下痢、皮膚障害、肝機能障害、悪心、嘔吐、倦怠感などがあります。また薬剤によっては、高血圧、タンパク尿、鼻出血などがみられることがあります。 皮膚障害への対処法 分子標的薬で起きる皮膚障害には、皮疹ひしん、乾皮症かんぴしょう、掻痒症そうようしょう、爪囲炎そういえんなどがあります。それぞれ起きやすい時期がだいたいわかっていますので、塗り薬、保湿剤、手袋の着用などで対処や予防を行いましょう。 間質性肺障害への対処法 頻度は低いものの、特に重要な副作用として、間質性肺障害が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。 日本肺癌学会編:患者さんのための肺がんガイドブック2021年版, p104-105, 金原出版, 2021 日本臨床腫瘍学会編: 新臨床腫瘍学 改訂第5版, 南江堂, 2018 肺癌診療ポケットガイド, p173-177, 医学書院, 2016 免疫チェックポイント阻害薬 非小細胞肺がんの治療で使用される免疫チェックポイント阻害薬の主な副作用 疲労感、発疹、かゆみ、白斑、下痢、悪心、嘔吐などがあります。また、免疫関連特有の副作用として、内分泌障害、肺障害、胃腸障害、神経・筋・関節障害、肝・胆・膵障害、皮膚障害などの副作用が生じることもあります。 副作用がみられた場合は、状況に応じて、免疫チェックポイント阻害薬を休薬したり、ステロイド薬の投与が行われることがあります。 免疫関連の副作用-肺障害への対処法 特に注意が必要な副作用として、間質性肺障害が報告されています。特徴的な症状は、息切れ、息苦しい、発熱、痰のない乾いた咳、疲労などです。風邪の症状と似ていますが、早めの対応が非常に重要ですので、気になる症状が現れた場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。 免疫関連の副作用-下痢への対処法 免疫チェックポイント阻害薬による下痢は、抗がん剤や分子標的薬でみられる下痢とは対処法が異なります。下痢が続く場合は、すぐに主治医に連絡しましょう。 日本バイオセラピィ学会「よくわかるがん免疫療法ガイドブックー患者さんとご家族のためにー」作成ワーキンググループ編: よくわかるがん免疫療法ガイドブックー患者さんとご家族のために,p28-31,44-49,金原出版,2020 監修: 近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授中川 和彦 先生 (2023年3月作成) 薬物療法とは、どのような治療ですか? 再発した場合は、どうしたらよいですか? 肺がん トップに戻る