5非小細胞肺がんの治療方針
治療方針は何をもとに決められますか?
治療法を決めるうえで重要なのが、病期です。
さらに全身状態なども考慮して治療方針が決められます。
肺がんは、がんの種類(組織型)によって放射線療法や薬物療法に対する反応が異なることから、がんの種類に応じた治療方針が立てられます。
非小細胞肺がんの主な治療法は、局所治療の「手術」と「放射線療法」、全身治療である「薬物療法」の3つです。これらは単独で行われる場合もありますが、治療効果を高めるため、これらを組み合わせる集学的治療が行われることもあります。
実際にどのような治療を行うかは、がんの進行度(病期)や組織型、患者さんの年齢や全身状態、治療後の生活への影響などを十分考慮し、個々の患者さんの状態に応じて決められます。

非小細胞肺がんでは、ⅠA期からⅢA期で手術が可能であれば、手術による外科切除が考慮されます。一方、ⅢB期からⅣ期の場合は、がんが広がっていて手術が困難なことが多いため、放射線療法、薬物療法を中心とした治療が検討されます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることがありますので、詳しくは主治医に確認してください。
治療の概略

- 監修:
- 近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授
中川 和彦 先生