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5非小細胞肺がんの治療方針

治療方針は何をもとに決められますか?

治療法を決めるうえで重要なのが、病期です。
さらに全身状態なども考慮して治療方針が決められます。

肺がんは、がんの種類(組織型)によって放射線療法や薬物療法に対する反応が異なることから、がんの種類に応じた治療方針が立てられます。
非小細胞肺がんの主な治療法は、局所治療の「手術」と「放射線療法」、全身治療である「薬物療法」の3つです。これらは単独で行われる場合もありますが、治療効果を高めるため、これらを組み合わせる集学的治療が行われることもあります。
実際にどのような治療を行うかは、がんの進行度(病期)や組織型、患者さんの年齢や全身状態、治療後の生活への影響などを十分考慮し、個々の患者さんの状態に応じて決められます。

肺がんの治療方針の要素。「がんの進行度(病期)」「がんの種類(組織型)」「全身状態(年齢、病歴、合併症など)」「治療後の生活への影響」から、治療法が決められます。 インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p76,87, 医薬ジャーナル社, 2017より改変

非小細胞肺がんでは、ⅠA期からⅢA期で手術が可能であれば、手術による外科切除が考慮されます。一方、ⅢB期からⅣ期の場合は、がんが広がっていて手術が困難なことが多いため、放射線療法、薬物療法を中心とした治療が検討されます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることがありますので、詳しくは主治医に確認してください。

治療の概略

非小細胞肺がんの、病期ごとの主な治療法の概略図。ⅠA期では手術、ⅠB期・ⅡA期・ⅡB期・ⅢA期では手術±術後補助化学療法、ⅢA期・ⅢB期では放射線療法±化学療法、ⅢB期・Ⅳ期では化学療法・がん免疫療法・分子標的療法が、主な治療法となります。
国立がん研究センター がん情報サービス「肺がん」より作成
監修:
近畿大学医学部 内科学 腫瘍内科部門 主任教授
中川 和彦 先生