3大腸がんの検査と診断

診断にはどんな検査が必要ですか?

大腸がんが疑われた場合は、大腸内視鏡検査を行います。診断が確定したら、画像検査でがんの深さや広がりを調べます。

検診による便潜血べんせんけつ検査の結果が「陽性」であったり、血便や便通異常などの症状から大腸がんが疑われる場合は、大腸内視鏡検査による精密検査で組織を採取し(生検)、病理検査でがん細胞の有無や状態などを詳しく調べます。
大腸がんと診断された場合は、さらに画像検査(注腸造影、CT、MRI検査など)によって、がんの位置や深さ、転移の有無などを確認し、病期を判定します。

病期診断に必要な検査

診断の流れ
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版, p16-20, 金原出版, 2022
もっと知ってほしい大腸がんのこと 2022年版, p5, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2022
大腸内視鏡検査

大腸がんの位置や広がりを調べる主な検査

検査の種類検査の方法と内容
大腸内視鏡検査
(大腸カメラ)
内視鏡を肛門から挿入し、大腸の中を観察します。ポリープなどの異常な病変がみられた場合は、組織を一部採取して病理検査でその性状を詳しく調べます。
大腸造影検査
(注腸造影)
肛門からバリウムと空気を注入してX線写真を撮影し、がんの位置や深さ、大腸の狭さの程度などを調べます。
超音波(エコー)検査超音波の反響を利用して、大腸がんと周囲の臓器との位置関係やリンパ節・肝臓への転移、腹膜播種ふくまくはしゅの有無などを調べます。
CT・MRI検査CTはX線を、MRIは磁気を利用して、体の断面を描き出します。大腸がんと周囲の臓器との位置関係を確認したり、肺や肝臓への転移の有無などを調べます。

※腹膜播種:種がまかれるように、体の中にバラバラとがんが広がること。

国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版, p16-20, 金原出版, 2022

(2023年4月作成)