1大腸がんについて
大腸がんはどんな人に多いですか?
日本では最も多いがんで、50歳代から急増する傾向にあります。
食生活の偏 りや肥満、飲酒などが主なリスク要因となります。
大腸がんにかかる割合(
増加の背景は、食生活の欧米化に伴う動物性タンパク質や脂肪分の摂りすぎ、運動不足、肥満、喫煙、飲酒などが挙げられます。
また、遺伝的な要因が関係していることもあり、家族性大腸腺腫症1)やリンチ症候群2)の家系の方では、大腸がんになる可能性が高いことが知られています。


- 1)家族性大腸腺腫症(FAP):大腸にたくさんの腺腫性ポリープが生じる遺伝性腫瘍です。APC 遺伝子の変異が原因で起こり、40歳代までに半数の患者さんが大腸がんを発症することが知られています。
- 2)リンチ症候群:遺伝子の異常を修復する「ミスマッチ修復遺伝子」に病的変異があり、その働きが低下することで起こる遺伝性腫瘍の1つです。50歳より若くして発症しやすいこと、右側結腸にがんができやすいこと、子宮体がんなど大腸がん以外のがんにもなりやすい、などの特徴があります。
ご家族にこれらの病気の人がいる方は、若いうちから大腸の精密検査を受けることが勧められています。
国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」「大腸がん」日本消化器病学会編, 患者さんとご家族のための大腸ポリープガイド, Q7, 2016
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌診療ガイドライン 2014年版, p8, 金原出版, 2014