7放射線療法について
放射線療法とは、どのような治療法ですか?
高エネルギーのX線などを使ってがん細胞を死滅させたり、増殖を抑える治療法です。
薬物療法と併用されることもあります。
大腸がんに対する放射線療法は、手術後の局所再発を防いだり、がんを小さくして肛門を温存することを目的に行われます(補助放射線療法)。
照射を行う時期は、手術前、手術中、手術後の3種類あります。また、転移がある場合は、転移巣への局所治療として使われることもあります。
最近では、一部の専門施設で、最新医療として陽子線や重粒子線を用いた治療も行われています。
治療スケジュール
治療は、治療の目的やがんの種類ごとに立てられた治療計画をもとに進められます。多くの場合、毎日少量ずつに分けて放射線を照射します。1回の照射にかかる時間は数分で、痛みはありません。

放射線療法の副作用
主な副作用は、治療中に起こる早期合併症と、治療後、しばらく経ってから起こる晩期合併症があります。症状は照射する部位によっても異なります。
- 早期合併症
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- 皮膚炎(赤くなる、ひりひりする、色素沈着など)
- 全身の疲労感、だるさ、食欲不振、白血球減少など
- 晩期合併症(腹部や骨盤に照射したとき)
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- 直腸炎による出血、頻便、膀胱炎など
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版, p44, 2014
大腸がんと言われたら, p128, 保健同人社, 2008