5内視鏡治療について

大腸がんの内視鏡治療とは、どのような治療ですか?

肛門から入れた内視鏡(大腸内視鏡)を使ってがんを切除する治療法です。
がんが粘膜内にとどまっている早期の大腸がんに対して用いられます。

内視鏡の先端に開いている穴から専用の器具を出し、モニターに映し出された画像を見ながらがんを切除します。大腸の粘膜には痛みを感じる神経がないため、内視鏡治療でがんを切除しても痛みを感じることはありません。
一般的に内視鏡治療に適しているのは、大腸がんのうち次の2つの条件を満たしているものとなります。

  1. ① 大腸がんが粘膜内、または粘膜下層の浅い部分にとどまっていると予想されるもの
  2. ② 無理なく1回で切除できる大きさのもの
内視鏡治療

内視鏡治療の方法

内視鏡治療には「ポリペクトミー」「内視鏡的粘膜切除術ねんまくせつじょじゅつ(EMR)」「内視鏡的粘膜下層剥離術ねんまくかそうはくりじゅつ(ESD)」の3つの方法があり、がんの形や大きさに応じて使い分けられます。
多くの場合、日帰り、または短期間の入院で行われます。ただし、病理検査の結果によっては、後日、手術による追加の切除が必要となる場合もあります。

国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌診療ガイドライン 2022年版, p21-24, 金原出版, 2022
もっと知ってほしい大腸がんのこと 2022年版, p10-11, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2022

内視鏡治療の方法

ポリペクトミー
きのこ型の茎を持った腫瘍に対して用いる方法です。
腫瘍の茎に「スネア」という金属性の輪をかけ、高周波電流を流して茎を焼き切ります。
ポリペクトミー
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
茎を持たない平たい腫瘍に対して用いる方法です。
生理食塩水を注射し、腫瘍を持ち上げてから、スネアを使って腫瘍を切り取ります。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
一括切除が難しい大きな早期がんに対して用いる方法です。
特殊な液を注射し、腫瘍を持ち上げてから、電気メスを使って腫瘍を剥離して切り取ります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
大腸ESDは、厚生労働省より示されている基準を満たす施設のうち、所定の届け出を行った施設でのみ実施されています
大腸癌研究会編, 患者さんのための大腸癌診療ガイドライン 2022年版, p21-24, 金原出版, 2022
もっと知ってほしい大腸がんのこと 2022年版, p10-11, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2022 より作成

内視鏡治療の合併症

頻度は少ないものの、出血したり、腸管に穴があく(腸管穿孔ちょうかんせんこう)などの合併症が起こることがあります。こうした合併症が起こった場合は、入院期間が長くなることがあります。

国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
もっと知ってほしい大腸がんのこと 2022年版, p10-11, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2022

(2023年4月作成)