6手術による外科切除について
大腸がんの手術について教えてください
がんが広がっている可能性のある腸管とリンパ節を切除します。
直腸がんの手術では、肛門を残す方法と残さない方法があります。
大腸がんの手術は、十分な安全域をとってがんがある腸管を切り取り、リンパ節を一緒に切除するのが基本です。がんが離れた臓器まで転移 している場合は、切除が可能であれば、転移したがんも切除します。

- 結腸がんの手術では、がんから十分な安全域をとって腸管を切り取り、周囲のリンパ節も切除します。切除後は、残った腸管どうしをつなぎ合わせます(
吻合 といいます)。
手術で20cm 程度を切除した場合でも、残った大腸が働いてくれるため、栄養の消化・吸収に影響が及ぶことはなく、特別な後遺症もほとんどありません。 - 直腸がんの手術は、肛門を残す「
括約筋温存 手術」と、肛門を残さない「直腸切断術 」の2つに大きく分けられます。
「括約筋温存手術」では、がんのある腸管と転移している可能性のあるリンパ節を切除し、残った腸管どうしをつなぎ合わせます。肛門は残るため、手術後も肛門から排便できます。
「直腸切除術」では、がんとリンパ節、肛門を切除し、肛門の代わりとなる人工肛門(ストーマ)をつくります。最近は手術技術が進歩したことで、肛門に近いがんでも、肛門を残すための手術法が工夫されるようになってきました。
どのような方法がよいかは、がんがある場所やがん進行程度、患者さんの状態などを総合して決められます。
もっと知ってほしい大腸がんのこと, p12-13, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2019
結腸がんの手術(例)

直腸がんの手術(例)

もっと知ってほしい大腸がんのこと, p12-13, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2019より作図