3胃がんの検査と診断

診断にはどんな検査が必要ですか?

バリウムを飲んでレントゲン写真を撮る方法(X線検査)やABC検診などで胃がんが疑われた場合、胃の中を直接みる内視鏡検査が行われます。

検診でのX線検査や、血液検査で行えるABC検診などのスクリーニング検査で胃がんが疑われた場合は、精密検査として内視鏡検査を行い、組織を採取して(生検)、がんかどうかを病理検査で確定します。
胃がんと診断された場合は、さらに画像検査(CTやMRIなど)によって、がんの広がりや転移の有無などを確認し、病期を判定します(胃がんの臨床病期(ステージ)分類参照)。

説明する医師と話を聴く患者さん

病期診断に必要な検査

診断の流れ
もっと知ってほしい胃がんのこと, p5, NPO法人キャンサーネットジャパン, 2016
日本胃癌学会編:患者さんのための胃がん治療ガイドライン2023年版, p15, 金原出版, 2023
※ピロリ菌感染の有無と胃粘膜萎縮度を組み合わせて胃がんのリスクを評価する方法です。

がんの広がりや転移を調べる主な検査

検査の種類特徴
腹部超音波検査超音波の反響を利用して、腫瘍の位置や大きさ、分布などを調べます。胃がんでは、主にリンパ節転移や肝臓への転移の有無、腹水の有無を確認するために行われます。
CT検査X線を使って体の断面を撮影します。がんの深さ、リンパ節転移の有無とその範囲、肝臓をはじめとする他臓器への転移の有無や腹水の有無など、様々なことを調べます。
MRI検査磁気を利用して体の断面を描き出し、がんの広がりを調べます。CTが行えない場合のほか、確定が困難な肝臓への転移状態を調べる検査としても用いられます。
注腸造影・内視鏡注腸検査は、肛門からバリウムと空気を注入してX線写真を撮影します。内視鏡検査では、病変を直接観察します。いずれも、併存する大腸病変の有無や腹膜への転移による大腸の狭窄きょうさくを調べるために行われます。
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CT検査
CT検査(イメージ図)
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 胃がん 改訂3版, p41-51, 医薬ジャーナル社, 2018
国立がん研究センター がん情報サービス「胃がんの検査」
日本臨床外科学会ホームページ「胃がんと診断されたら(1)検査と診断の基礎知識」
日本胃癌学会編:患者さんのための胃がん治療ガイドライン2023年版, p15-16, 金原出版, 2023
監修:
静岡県立静岡がんセンター 副院長
寺島 雅典 先生

(2023年8月作成)