手術後の食生活について、食事の内容や症状別の対策、ダンピング症候群を予防する食べ方など、詳しくは主治医や栄養士にご相談ください。
胃がんの手術後では、食べ物が胃にとどまらずに腸に流れ込むダンピング症候群が起こる場合があります。
食事のあとにすぐに起こる「早期ダンピング症候群」は、腸の働きが急に激しくなることで、一時的に貧血のような状態となります。
食後2~3時間後に起こる「後期ダンピング症候群」は、一時的な高血糖をさげるために、インスリンというホルモンが大量に分泌され低血糖の状態となります。
早期ダンピング症状
- 冷や汗、動悸、めまいなどの全身症状
- 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などの腹部症状
後期ダンピング症状
頭痛、倦怠感、発汗、めまい、脈や呼吸が速くなる
ダンピングとは、ダンプカーが土砂などを一気に投げおろすことを表す言葉です。土砂などを食べ物におきかえると、食道を通った食べ物が胃にとどまらずに腸に落ちることを指します。
胃がん・食道がん 病後のケアと食事, p126-127, 法研, 2019
毎日おいしく食べる! 胃を切った人のための食事, p16-19, ナツメ社, 2013より改変
ダンピング症候群を予防する食べ方
- 軟らかくて消化のよいものを食べる
- よくかんで、ゆっくり食べる
- 食事中の水分は控えめにする
- 食事の回数は多めにする
- 炭水化物を短時間で大量にとらない
- 食後すぐの運動は避ける
- 後期ダンピング症候群が起きた場合、アメやジュースなどの糖分の高いものを口にして安静にする
- 食後2時間をめどに糖分や炭水化物を補給する
毎日おいしく食べる! 胃を切った人のための食事, p16-19, ナツメ社, 2013
胃がん・食道がん 病後のケアと食事, p126-127, 法研, 2019
もっと知ってほしい がんと栄養のこと, p6, キャンサーネットジャパン, 2013
- 監修:
- 大阪警察病院 がん診療センター長
消化器外科部長 西川 和宏 先生