13お薬による治療中の食事・栄養について

症状別の対策

お薬による治療中の食生活について、食事の内容や症状別の対策など、詳しくは主治医や栄養士にご相談ください。

食欲がないとき

食べたいときに、食べられるものを

食欲がないときは無理をせずに、食べたいときに食べられるものを食べることが基本です。すぐに食べられるように、好きなものを準備しておきましょう。さっぱり・すっきりしたものや冷たいもの、のどごしがよいものがおすすめです。通常の食事で必要な栄養素が得られないときに、栄養補助食品を使うこともおすすめします。

いつでも食べられるように間食を準備しておく

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ゼリー
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カップスープ
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ヨーグルト

栄養補助食品

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ドリンク
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ゼリー
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アイスクリーム

脱水予防のため、水分補給をこまめにする

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がん患者さんのための国がん東病院レシピ2, p12-13, 法研, 2020

吐き気や嘔吐があるとき

吐き気があるときは、水分の多いものを

吐き気や嘔吐があるときは、水分が多くさっぱりしたものや、冷たいものがおすすめです。胃の中に食べ物があると吐き気や嘔吐が起こりやすくなるため、なるべく消化のよいものを選びましょう。小盛りにしたり、少量ずつこまめに食べる工夫も重要です。

吐き気や嘔吐があるときの食事の工夫

  • 少量ずつ気分のよいときに食べる
  • 冷たく、口当たりがよく、飲み込みやすいものをとる
  • においの少ない食材を選んだり、料理を冷ましてにおいを抑える
  • 脂肪の多い食品や脂っこい料理を避ける

冷たく、口当たりがよいもの

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冷ややっこ
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茶碗蒸し

においの強い食材は避ける

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がん患者さんのための国がん東病院レシピ2, p30-31, 法研, 2020 

下痢や便秘があるとき

食材選びや調理法を工夫する

下痢の場合は胃腸を刺激しないもの、便秘の場合は腸内環境の改善に役立つものがよいでしょう。また、下痢が続き脱水状態にならないように、こまめに水分を補給しましょう。

下痢があるときの食事の工夫

  • 水やスポーツドリンクなどでこまめに水分補給
  • 食事がとれそうな場合、温かく消化のよいものを中心に食べる
  • 下痢が続く場合、消化の悪い食品や牛乳のほか、刺激が強いアルコールやカフェインを含む食品は避ける
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便秘があるときの食事の工夫

  • 水分を積極的にとり、果物や野菜、海藻などの食物繊維を含む食材を取り入れる
  • 乳酸菌入りの食品を取る
  • 便秘が続き、おならがでなかったり、腹痛がある場合は医師や看護師に相談してください
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がん患者さんのための国がん東病院レシピ2, p80-81, 法研, 2020

味覚やにおいに変化があるとき

味覚異常があるときは、おいしいと思えるものを

舌の味蕾(みらい)という味を感じる細胞の機能が低下したり、唾液の分泌が少なくなるため、口の中が乾燥し、味覚に変化が起こります。症状に応じて、食べやすい味つけを工夫しましょう。

本来の味と違って感じたり、味を感じにくい場合

  • カレー粉などの香辛料やマヨネーズなどのコクのあるものを使用する
  • だしを濃いめに取ったり、しょうがやみょうが、レモンなどの香りや旨味を利用し、風味を加える
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味を強く感じる場合

  • 強く感じる味の調味料や食材を避け、食べるときに味を加えられるようにする

においに変化がある場合

  • においの少ない調理法を工夫したり、においが気になる場合は冷ましてから食べる

 

口内炎があるとき・飲み込みにくいとき

飲み込みにくいときは、のどごしのよいものをとる

口内炎がある場合、刺激を与えないように熱いものや酸味のあるもの、かたいもの、アルコールなどを避けましょう。口の中を刺激しないように、熱いものは冷ましたり、とろみをつけたり、柔らかくして刻むなど、工夫しましょう。

がん患者さんのための国がん東病院レシピ2, p48-49, 66-67, 法研, 2020
国立がん研究センター がん情報サービス「味覚やにおいの変化 もっと詳しく」(https://ganjoho.jp/public/support/condition/taste_or_smell/ld01.html

監修:
大阪警察病院 がん診療センター長
消化器外科部長 西川 和宏 先生

(2024年7月作成)