13手術後の食生活について

食生活のポイント

手術後の食生活について、食事の内容や症状別の対策、ダンピング症候群を予防する食べ方など、詳しくは主治医や栄養士にご相談ください。

手術後の食事は焦らずに自分にあった食べ方を見つけることが重要です。

①よくかんでゆっくり食べることが基本

食べ物を胃液と混ぜ合わせて粥状にしたり、食べ物を時間をかけてゆっくり腸に送り出すという胃の役割(はたらき)を口で補うことが大切です。胃や腸への負担が少なくなり、ダンピング症候群の予防や軽減にもつながります。

②規則正しく食事をとり、体のリズムを整える

規則正しく食事をとることで、胃腸の調子が整いやすく、排便のリズムも安定します。なお、胃酸などの逆流を防ぐために、食後30分は寝ずに、上体を起こして安静にしましょう。

③1回分の食事量を減らし、食べる回数を増やす(1日5~6回が目安)

胃が小さくなり、1回の食事でたくさんの量が食べられなくなります。しかし、栄養やエネルギー量が不足しないようにするため、1日の食事量を減らさないように、1回の食事量は少なくして、回数を多くして食べましょう。

④手術後3ヵ月を目安に、適切な食べ方を身につける

手術後の食事では、3ヵ月ほどが特に注意が必要です。3ヵ月を過ぎると体重が安定し、腸も順応するため、それまでに適切な食べ方を身につけましょう。

毎日おいしく食べる! 胃を切った人のための食事, p36-37, ナツメ社, 2013
胃がん・食道がん 病後のケアと食事, p10-13, 法研, 2019
がん研有明病院の胃がん治療に向きあう食事, p24-25, 女子栄養大学出版部, 2015
もっと知ってほしい がんと栄養のこと, p4-5, キャンサーネットジャパン, 2013

監修:

大阪警察病院 がん診療センター長
消化器外科部長 西川 和宏 先生

(2024年7月作成)