がん患者さんの想い、気持ち、困りごと
再発、再々発への対応
皆さまへ
正常な細胞は必要に応じて増えるのをやめ、他の細胞と入れ替わるような仕組みになっていますが、がん細胞はこの仕組みに異常が…
43歳女性 子宮頸がんの複数回再発の場合
「転移を告げられた瞬間、何も考えられなくなりました。再々発もショックでしたが、前回の抗がん剤治療で生じた吐き気や脱毛…
66歳男性 大腸がんの複数回再発転移の場合
大腸がんでは再発・転移したがんを手術で取り除ける場合は手術しますが、手術が難しい場合は薬物療法や放射線療法が選択肢になり…
再発後の経済的負担
皆さまへ
医療機器の進化や新薬の開発により、がん医療は年々進歩しています。さらに術後後遺症や薬物療法の副作用の軽減も最大限に試みられ…
53歳男性 胃がんの複数回再発の場合
「まだ子どもに教育費と養育費がかかるんです。妻がパートで働いてくれていますが、このまま大黒柱である私が働けない日が…
63歳男性 肺がんの複数回再発の場合
「年齢も年齢でしたから、最初の再発時点で会社は退職しました。その後は、短期のアルバイトなどをしていたのですが、薬物療法を…
精神的な苦痛への対処
皆さまへ
緩和ケアでは患者さんの「苦痛」を4つの視点でみることがあります。1つはがんの痛みや治療の副作用などから…
72歳男性 胆道がんの再発の場合
数ヵ月前に再発がわかり薬物療法で治療をしていたところ、痛みと黄疸(おうだん)が現れたため…
60歳男性 食道がんの再発の場合
食道がんの再発後、抗がん剤治療をしていましたが、薬剤耐性(薬の効き目が落ちてくることです)により…
緩和ケア
皆さまへ
緩和ケアと聞くと皆さまは何を思い浮かべるでしょうか? つい最近まで、緩和ケアはターミナル(終末期)ケアと混同されて…
63歳女性 卵巣がんの再発の場合
1年半前に卵巣がんが見つかり、切除術と抗がん剤治療を完了しました。しかし、定期検診で再発がわかり、緩和ケアを…
79歳男性 非小細胞肺がんの再発の場合
再発により抗がん剤で治療していたところ、薬剤耐性(薬の効き目が落ちてくることです)と痛みが生じてきたため…
再発後の治療とそのほかの選択肢
皆さまへ
再発・転移がんの治療は、局所再発(最初にがんが発生した臓器で再発すること)と遠隔転移(ほかの臓器や骨などにがん細胞が…
78歳女性 小細胞肺がんの再発の場合
77歳のときに小細胞肺がんと診断され、薬物治療(抗がん剤)と放射線治療を受けました。しかし、1年後に遠隔転移が見つかりました…
60歳男性 胃がんの再発の場合
胃がんと診断され、切除と飲み薬による補助化学療法を受けました。しかし、術後11ヵ月を過ぎた頃、腹膜播種(ふくまくはしゅ)が…
再発と補完代替療法
皆さまへ
がん患者さんご本人やご家族は、漢方や鍼灸などの伝統医療から健康食品、心霊療法まで様々な「身体によいもの」「がんが治る何か」を…
72歳男性 非小細胞肺がんの再発の場合
2年前に肺がんと診断され、初期治療を終えました。しかし、定期検診で遠隔転移が見つかり、抗がん剤治療を始めました…
64歳女性 S字結腸がんの再発の場合
S字結腸がんと肝転移が見つかり、手術と抗がん剤治療を受けました。しかし、治療終了1年後の定期検診で再発(肝転移)がわかり…
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)―人生会議―
皆さまへ
最近、アドバンス・ケア・プランニング(ACP、愛称:人生会議)という言葉がマスコミでも使われるようになりました…
ご家族への周知
皆さまへ
がんの治療が一段落すると、患者さんの多くは一人で定期検査に通うようになるので、再発すると患者さんにのみ告知されることが…
66歳男性 悪性黒色腫の脳転移の場合
2年前に上腕の悪性黒色腫を切除したのですが、定期検診のMRI検査で脳転移が見つかりました。「“再発した場合は、包み…
28歳女性 膵臓がんの肝転移の場合
膵臓がんと診断後、手術と術後補助化学療法(抗がん剤)を受けていましたが、倦怠感が現れ検査入院をしたところ肝転移が…
再発と抑うつ
皆さまへ
「再発」は手術で取り切れていなかった目に見えないぐらい小さながん細胞が大きくなったり、放射線治療や抗がん剤治療で小さくなった…
56歳女性 乳がんの腰椎転移の場合
2年前に乳がんと診断され、手術と術後補助化学療法を受けていましたが、定期検診で腰椎への骨転移がわかりました…
69歳男性 胃がんの大動脈周囲リンパ節転移の場合
3年前に胃がんが見つかりました。可能な限り胃を残す「胃亜全摘術」と術後補助化学療法(経口抗がん剤)を1年間受けました…
術後合併症・後遺症と晩期合併症
皆さまへ
術後の合併症は手術に伴う出血や痛み、感染症、縫合不全(手術した後の組織がうまくくっつかない)などを指し、術後の比較的早い時期に…
21歳女性 小児急性リンパ性白血病(ALL)の場合
4歳の時に急性リンパ性白血病(ALL)を発症。抗がん剤治療と造血幹細胞移植を行い、無事に治癒の目安とされる5年が経過しましたが…
49歳男性 脳腫瘍の場合
6年前に脳腫瘍と診断され、手術と放射線治療、薬物療法を受けました。治療後5年を過ぎたころから、記憶力や集中力の低下に…
再発に対する不安
皆さまへ
初回治療を終えたがん患者さんの多くは、異口同音に「“再発するかもしれない”という不安が頭を離れない」と…
55歳女性 子宮体がん(子宮内膜がん)の場合
4年前の51歳のときにステージⅡの子宮体がんと診断され、子宮全摘術を受けました。その後、再発する可能性が高いと判定されたため…
62歳男性 膵臓がんの場合
1年前にステージⅡの膵臓がんと診断されました。術前化学療法と手術を終え、今は術後化学療法を受けて…
孤独を感じるとき
皆さまへ
がん医療の進歩で、がんとともに「生きる」ことが当たり前といわれる時代になりました。しかし、「がん=死」というイメージが…
30歳男性 舌がんの場合
AAさんの2回目の手術は舌の半側切除、頸部リンパ節郭清(郭清とは、手術でがん細胞などを取り除くことです)、そして舌の再建術…
68歳男性 胃がんの場合
再発したらどうしようとずっと不安なんですよ。辛い時期を支えてくれた家内や子どもたちには感謝しています。でも、3年も過ぎると…
家族ががんになったとき
皆さまへ
家族の誰かががんになると、大切な人を失うかもしれないという恐怖に加え、患者さん本人の辛そうな様子を目の当たりにして…
51歳女性 胆のうがんの場合
術後の辛い痛みや不自由を乗り越えてようやく日常生活に戻れたと思った矢先だったこともあり、Yさんは再発にかなりショックを…
72歳男性 悪性胸膜中皮腫の場合
悪性中皮腫は肺を包む膜や、おなかの内側を覆う膜などに並んでいる中皮細胞から発生するがんのことで、建材のアスベスト(石綿)を…
外見の変化
皆さまへ
ほんの数年前までは、がん治療の副作用や合併症に伴う「外見の変化」は仕方がないものとされてきました。しかし、術後の入院日数が…
38歳女性 乳がんの場合
「乳房を切除したあとは、手術で再建する予定でした」というWさん。しかし2019年、日本で認可されていた「乳房インプラント…
48歳男性 肺がんの場合
管理職として仕事をバリバリこなしていたXさん。がんの告知はショックでしたが、「今はがん治療も進歩している。きちんと治療に…
身体機能の喪失
皆さまへ
ボディイメージは、自分自身が無意識のうちに持っている「私の身体」についてのイメージ(身体像)を指し、自我が芽生えた…
66歳男性 直腸がんの場合
「ストーマになると先生から説明されたときは、『俳優の〇〇〇さんと同じだな』なんて軽いノリで妻と話せていたんですけどね。一人になって…
17歳女性 骨肉腫の場合
骨肉腫は希少がんの一つで、多くは10~20代の若年者の膝や肩の周囲で発生します。治療の基本は術前・術後の抗がん剤療法と病巣を…
副作用の影響
皆さまへ
どんな病気であっても、手術の合併症や薬の副作用は怖いものです。まして、がんの治療となると副作用が強いイメージがあり…
67歳男性 腎細胞がんの場合
腎細胞がんにおける基本的な治療法は、手術による外科切除です。このため腎臓以外の臓器に転移があるステージⅣであっても…
48歳女性 卵巣がんの場合
卵巣がんのステージⅢの標準治療は、がん化した組織をできるだけ手術で取り除き、その後に抗がん剤治療を行います。イン…
社会的役割の喪失
皆さまへ
がんはよく「喪失の病気」といわれます。ここでいう喪失の一つは命そのものを失うかもしれないというものです。二つ目は病気…
41歳女性 乳がんの場合
「病名を知らされたときに思ったのは“成人していない子どもを残して死ねない、母親として頑張らねば”でした…
33歳男性 精巣腫瘍の場合
一般的に精巣腫瘍では、まずはがんがある側の精巣を手術で切除し、切除したがんの組織を調べてから治療方針を決めます…
ドクターショッピングのわな
皆さまへ
改めて「ドクターショッピング」とは何かを考えてみましょう。ドクターショッピングとは「一つ目の病院の診察に満足がいかず…
27歳女性 子宮頸がんの場合
「女の先生から“ちょっと顔つきの悪い細胞があるので、精密検査をしましょう”と生真面目な顔で言われたときは、“もしかして…
80歳男性 再発大腸がんの場合
「抗がん剤治療は本当に辛かった。それでも死なずに済むならと頑張ったのに、再発ですよ。定期検査で再発が発覚したときには…
セカンドオピニオン
皆さまへ
現代用語として一般的になった「セカンドオピニオン」ですが、実際に主治医以外の医師から意見を聞いた経験がある患者さんは…
58歳男性 喉頭がんの場合
「ずーっとたばこを吸ってきたし、大酒飲みだけど、肺がんでも胃がんでもなくて、のどのがんになるなんて思いもしなかった…
60歳男性 胃がんの場合
「実は同僚が胃を全部とって、ダンピング症候群や、胆汁と膵液の逆流で苦しんでいたんですよ。みるみる痩せちゃって…
経済と就労の悩み
皆さまへ
日本では毎年、およそ100万人の方が新たにがんと診断され、その3人に1人は20~64歳の就労世代です。今後、定年延長や…
32歳男性 非小細胞肺がんの場合
「手術が終わればすぐに仕事に復帰できると考えていました。手術前は取引先にも“しばらく留守にします”くらいの気持ちで挨拶…
43歳女性 乳がんの場合
「これからは子ども達に教育費もかかるし、私の治療費もかかります。絶対に仕事を辞めたくはありませんでした。副作用は予想以上に…
治療に対する意思決定
皆さまへ
がんと診断されたあと、多くの方はその衝撃の中で、治療法と治療中の生活について決断する必要に迫られます。一般的に治療の…
27歳女性 悪性黒色腫(メラノーマ)の場合
「病名を聞いたときは“何それ、なんで私が?”という気持ちでした。しかも、治療の説明の中で切断という言葉が出てきたので…
42歳男性 リンパ芽球性リンパ腫(LBL)の場合
「標準治療といっても、自分に合うとは限らないですよね。まあ、移植が怖かったのも事実です。それに維持療法をしているうちに…
医療不信
皆さまへ
一昔前のがんの告知が否定されていたときは、患者さんは自分自身が受けている治療の内容も目的も知ることができず、不信と不安の…
48歳女性 肺がんの場合
「肺がんと診断されて自分の生活スタイルの何かが悪かったのだとショックでした。主治医から受動喫煙の危険性を延々と話された…
61歳男性 食道がんの場合
Hさんが治療の選択肢に悩んでいたちょうどそのとき、内視鏡(胸腔鏡、腹腔鏡)下手術に関する死亡事故の例が報道され、大きな社…
家族への周知の悩み
皆さまへ
がんと告げられたあとで、お子さんや両親にどう伝えたらいいのかわからず途方にくれて「心配をさせたくないから、知らせないで…
42歳男性 大腸がんの場合
「子ども達にまだ話をしていないんですよね。手術のときは“お父さん、ちょっと入院するから”で済ませましたが、抗がん剤治療と…
53歳女性 卵巣がんの場合
「“卵巣がんです。病期は開腹してみなければ……”と、言われたときには頭がぼーっとして何も考えられませんでした。入院までの段…