あなたと一緒に、がんと向き合う
治療後

再発に対する不安
〜55歳女性 子宮体がん(子宮内膜がん)の場合〜

CCさん:55歳 女性 子宮体がん ステージⅡ
専業主婦。夫、成人した20代の息子二人と同居。

4年前の51歳のときにステージⅡの子宮体がんと診断され、子宮全摘術を受けました。その後、再発する可能性が高いと判定されたため術後薬物療法も受け、経過観察中です。

55歳女性

「ちょっとした不調が、再発のサインに思えて疲れ果てました」

CCさんは、父と伯母を若くしてがんで亡くしているため、不正出血(月経以外で性器から出血が続くこと)が続いた際にがんをすぐに疑い婦人科を受診、比較的早期にがんを発見することができました。しかし、その後の検査で“再発する可能性が高い”と言われました。

「“ウチはがん家系だから、仕方がない…”と思っていましたが、再発リスクが高いと聞いた途端、“私もがんで死ぬんだ!”と頭が真っ白になりました」(CCさん)。

そのときのショックから、CCさんはちょっとした身体の不調がすべて「再発のサイン」であるかのように思え、不安のあまりよく眠れず、何をしても楽しくないと思うようになってしまいました。なんとか心が落ち着くのは定期検査で再発が否定された後の数日間だけで、心身ともにすっかり疲れ果ててしまいました。

自分でできる心のケア法を試してみましょう

生命に関わるのですから、再発に対する不安や恐れは人としてごく当たり前の感情です。

ただし、不安に振り回される状態が何週間も何ヵ月も続くと、逆に心身の健康を損ないかねません。心や体が少し休める時間を確保しましょう。また、具体的に身体によいこと(禁煙や禁酒など)を実行すると、少し安心して心が落ち着くのではないでしょうか。

自分でできるリラックス法も試してみましょう。CCさんの場合、様子を見かねた長男がネットで調べて、次の筋弛緩法を教えてくれました。

筋弛緩法(漸進[ぜんしん]性筋弛緩法)

ストレスや不安を感じると、人の脳は緊張感を高めて身体をこわばらせ、攻撃や逃走といった準備をします。「筋弛緩法」はこれを逆に利用して、先に体の緊張をほぐすことで、心の緊張をほぐす方法です1)

  1. 手:両手をギューッと握って、ゆっくり広げる
  2. 腕:力こぶを作るように両腕を曲げ、脇を締めてギューッと力を入れて、ストンと力を抜く
  3. 肩:両肩をギューッと上げ、耳まで近づけて、ストンと力を抜く
  4. 首:首を下げて、首の後ろを緊張させて、ストンと力を抜く(首をゆっくり前後左右に動かしてもよい)
  5. 顔:目と口をギューッとつぶって、奥歯を噛みしめて、ポカンと口をあける
  6. 背中:腕をギューッと外に広げて肩甲骨を引きつけて、ストンと力を抜く
  7. お腹:お腹に力を入れて凹ませて、ストンと力を抜く
  8. お尻:お尻の穴を引き締めるようにギューッと力を入れて、スーッと力を抜く
  9. 脚:足全体にギューッと力を入れて、ストンと力を抜く
筋弛緩法
「気軽にリラックス」 大阪府こころの健康総合センター 2013年1月発行
(2021年3月12日閲覧、http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/13282/00000000/relax.pdf)を基に作成

この方法を試したCCさんは、「不思議なことに、これをしている間は不安や恐れを忘れているんです。少しの時間のことだけど体と心がほぐれたからか、夜も眠れるようになりました。息子にとても感謝しています」と言っていました。

あなたは決して一人ではないということを覚えておいてください。一人で不安を抱え込まずに、辛いと感じたら家族や友人に限らず、主治医や看護師、精神腫瘍医(サイコオンコロジスト)、あるいは、がん相談支援センターや緩和ケアチームのスタッフに相談するようにしましょう。

1)清水研 ほか 監. 国立がん研究センターのこころと苦痛の本 p46-49, 2018, 小学館
監修:
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科
科長 小川 朝生 先生
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