「医療ミスや医療批判の報道に迷いが生じた」
Hさんが治療の選択肢に悩んでいたちょうどそのとき、内視鏡(胸腔鏡、腹腔鏡)下手術に関する死亡事故の例が報道され、大きな社会問題になりました。
「私も医療事故にあうのでは?と、すっかり不安になってしまいました」(Hさん)。
インターネットや週刊誌でも医療ミスや事件の報道といった医療を批判する記事はよく読まれているようです。これだけ否定的な情報を目にする機会があれば、医療に対する不信感を抱いても不思議ではありません。中には、病院でのがん医療をすべて否定し、民間療法だけを信じる方もいるかもしれません。
ただ、インターネットや週刊誌といったニュース性がある情報はときに極端に省略、一般化され、真実から遠ざかることがあります。また、科学的根拠のない治療法を載せていることもあります。こうした極端な情報や、あるいはほんの少数の経験に基づく情報の中に「あなた自身の病気」と合致した良質な情報が含まれていることは少なく、そのような情報を信じた結果、治療に悪影響を及ぼす恐れがあります。
一方、あなたの主治医は、あなたの全身状態や年齢、これまでの生活習慣や病歴などを理解したうえで、科学的根拠のあるデータを用いて「あなたに最適と考える提案」を行ってくれるので信頼できる情報源です。