食道がんは、食道の粘膜から発生する扁平上皮がんがほとんどです。発生した部位により3つに分けられます。
食道がんは、主に扁平上皮がんと腺がんのふたつのタイプがあります。日本では、約90%が扁平上皮がんで、食道の粘膜を構成する扁平上皮から発生します。一方腺がんは、胃の内容物が逆流し、胃酸が食道を傷つける逆流性食道炎が背景にあることが多く、主に食道の下部に発生します。また、どこにがんが発生したかにより、頸部食道がん、胸部食道がん、腹部食道がんの3つに分けられます。
食道がんの種類
発生部位別の種類
頸部食道がん
- 食道の入り口から約3センチの範囲
- 咽頭や喉頭などにがんが広がりやすい
胸部食道がん
- 頸部食道の下から横隔膜までの約20センチの範囲。上部、中部、下部に分けられる
- 胸部中部食道がんが、食道がん全体の約50%を占める
腹部食道がん
- 横隔膜から胃の入り口までの約2センチの範囲
- 近年、増加傾向がみられる
国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん」
日本食道学会 編:食道癌取扱い規約 第12版, p6, 金原出版, 2022
細川正夫 監:食道がんのすべてがわかる本, p12, 講談社, 2015
- 監修:
- 大阪大学医学部医学系研究科 外科学講座消化器外科学 教授
土岐 祐一郎 先生