3胸膜中皮腫の病期

病期(ステージ)とはなんですか?
どのように決められますか?

病期とは、病気の進行の程度を示したもので、治療方針を立てるうえで重要な判断材料となります。

胸膜中皮腫の病期は、がんの広がりや、隣接する臓器やリンパ節への転移の状況によって、大きくⅠ期からⅣ期の4段階に分けられます。
Ⅰ期は片側の胸膜に限局した状態です。Ⅱ期はがんが肺の間にある膜(葉間胸膜ようかんきょうまく)や胸壁きょうへきに広がっていたり胸腔内のリンパ節に転移した状態、Ⅲ期はがんが胸壁や心膜やリンパ節などに及んでいたり反対側のリンパ節に転移した状態、Ⅳ期はがんが離れた臓器に転移した状態です。

胸膜中皮腫の病期(ステージ)分類

  1. Ⅰ期

    がんが胸膜のみに限局し葉間胸膜には進展がない

    胸膜中皮腫の病期 Ⅰ期の図
  2. Ⅱ期

    葉間胸膜・胸壁・縦隔に浸潤または胸膜内のリンパ節に転移があり胸膜が厚い(>12mm)

    胸膜中皮腫の病期 Ⅱ期の図
  3. Ⅲ期

    胸壁や心膜に進展している

    1. A期

      胸膜が厚い(>30mm)または葉間胸膜・胸壁・縦隔の脂肪に浸潤がありリンパ節転移がある

      胸膜中皮腫の病期 Ⅲ期A期の図
    2. B期

      肋骨・縦隔にある臓器・胸壁など広範囲に浸潤(リンパ節転移は問わない)

      胸膜中皮腫の病期 Ⅲ期B期の図
  4. Ⅳ期

    離れた臓器に転移している

    胸膜中皮腫の病期 Ⅳ期の図
日本肺癌学会編:患者さんと家族のための肺がんガイドブック2024年版, WEB版 より作成
監修:
医療法人 緑十字会 笠岡中央病院
副院長 青江 啓介 先生

(2025年8月作成)