あなたと一緒に、がんと向き合う

8薬物療法について

薬物療法とは、どのような治療ですか?

薬剤を使って、がん細胞の増殖を抑える治療法です。病気を治しきる治療ではなく、進行を抑えながら少しでもよい状態を保つことを目指します。

薬物療法は、手術が行えない患者さんに対する中心的な治療法です。また、治療効果を高める目的で、手術と組み合わせて行われることもあります(術前療法・術後療法)。
悪性胸膜中皮腫の薬物療法は、薬の組み合わせと治療スケジュールが決まっています。
手術が難しい方に対しては、最初の治療(1次治療)の効果がみられなくなった場合、別の薬剤による2次治療が検討されます。がん免疫療法は、化学療法を受けたあとの2次治療以降に検討される治療法です。治療の進め方については、薬剤の効果や副作用の程度、患者さんの全身状態などを考慮して決められます。

薬物療法を用いた主な治療法

手術と組み合わせる場合

  • 術前療法 (化学療法 →︎ 手術)
  • 術後療法 (手術 → 化学療法)

手術が難しい場合

  • 化学療法
  • がん免疫療法
※2次治療以降

(主な副作用と治療中のセルフケアについては薬物療法の副作用とケアをご参照ください)

化学療法(抗がん剤)

抗がん剤は、主に細胞が分裂する増殖過程に作用してDNAの合成を妨げたり、その機能を障害することで、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。
悪性胸膜中皮腫では、「プラチナ製剤」と「代謝拮抗剤」と呼ばれる2種類の抗がん剤を組み合わせた併用療法が標準治療として用いられています。どちらの薬も点滴で投与されます。

標準化学療法(例)

  • プラチナ製剤 + 代謝拮抗剤
薬物療法で治療中の患者さんのイラスト
日本肺癌学会編:EBMの手法による肺癌診療ガイドライン 2016年版, p261-268, 金原出版, 2016
国立がん研究センター がん情報サービス「中皮腫」

がん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)

私たちの体は、免疫機能が正常に働いている状態では、T細胞などの免疫細胞が、がん細胞を「自分でないもの」と判断し攻撃します。しかし、がん細胞は、免疫機能から逃れようと免疫細胞にブレーキをかけ、攻撃から逃れていることがわかっています。
薬剤を用いて、がん細胞による免疫細胞へのブレーキを解除し、患者さん自身にもともとある免疫の力を使って、がん細胞への攻撃力を高める治療法を「がん免疫療法」といいます。

使われる薬剤

「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる治療薬が使われます。薬は点滴で投与されます。

点滴をしている患者さんのイラスト
日本臨床腫瘍学会編: がん免疫療法ガイドライン, p6-9, 金原出版, 2016
国立がん研究センター がん情報サービス「 免疫療法」

※免疫チェックポイント阻害薬による治療の対象となるのは、悪性胸膜中皮腫の患者さんのうち、手術の対象とならない方で、化学療法を受けたことがある患者さんに限られます(2018年8月現在)。

監修:
独立行政法人 国立病院機構 山口宇部医療センター
内科系診療部長 青江 啓介 先生

悪性胸膜中皮腫の治療で小野薬品の薬を使用された方へ