2胸膜中皮腫の種類

胸膜中皮腫にはどんな種類がありますか?

多くは「びまん性」で、胸膜全体に広がっていく性質があります。組織型では「上皮様」「肉腫様」「二相性」に分けられます。

胸膜中皮腫には、1ヵ所にかたまって大きくなる「限局性」と、胸膜全体に広がる「びまん性」のタイプがあります。多くは「びまん性」で、肺全体を包み込むように広がる性質があります。
がん細胞の組織型の種類としては、「上皮様」「肉腫様」「二相性」などがあります。これらのうち、頻度が高く病気の経過(予後)が良いのが「上皮様」で、全体の約60%を占めています。組織型によって、病気の進行スピードや予後が異なるため、がんの組織型も考慮したうえで今後の治療方針が立てられます。

解説する医師のイラスト
組織型
(割合)
特 徴
上皮様
(約60%)
  • ・病気の経過(予後)が、他の組織型に比べて良いタイプ
  • ・頻度が一番高い
肉腫様
(約10%)
  • ・病気の進行が早く、病気の経過(予後)が悪いタイプ
  • ・胸水の貯留がほとんどみられない
二相性
(約30%)
  • ・病気の経過(予後)は上皮様と肉腫様の中間のタイプ
  • ・上皮様と肉腫様が混在している
日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学改訂第7版, p387, 南江堂, 2024
監修:
医療法人 緑十字会 笠岡中央病院
副院長 青江 啓介 先生

(2025年8月作成)