病期に加え、患者さんの年齢や体力、全身状態、患者さんの希望を踏まえて治療方針が決められます。
悪性胸膜中皮腫の治療法を選択する場合は、がんの広がり(病期)や組織型に加え、患者さんの全身状態や体力、治療の影響などを考慮し、患者さんの希望も伺ったうえで治療方針が立てられます。
悪性胸膜中皮腫の主な治療法は、「手術」「放射線療法」「薬物療法」の3つです。さらに、痛みなど、がんによる症状を抑える「緩和療法(ケア)」もあわせて行われます。
実際にどのような治療を行うかは、患者さんの全身状態や治療の影響などを十分考慮し、個々の患者さんの状態に応じて決められます。
インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂5版, p43-44, 医薬ジャーナル社, 2017
国立がん研究センター 希少がんセンター「悪性胸膜中皮腫」
多くの場合は、薬物療法と緩和療法による治療が中心となります。
病期別では、Ⅰ期からⅢ期のうち、手術でがんを取りきれると判断された場合は、手術を中心に、抗がん剤による化学療法や放射線療法を組み合わせた「集学的治療」が検討されます。ただし、実際は、Ⅰ期で見つかった場合でも、患者さんの全身状態などから、手術の対象とならない場合が少なくありません。
手術が難しい方やがんが広がっている方に対しては、薬物療法が中心となります。同時に、緩和療法(ケア)も並行して行われます。
病期ごとのおおまかな治療法を下図に示しました。患者さんによって異なることがありますので、詳しくは担当医に確認してください。
治療の概略
日本肺癌学会編:患者さんのための肺がんガイドブック2022年版, WEB版 より作成
国立がん研究センター 希少がんセンター「悪性胸膜中皮腫」
- 監修:
- 独立行政法人 国立病院機構 山口宇部医療センター
内科系診療部長 青江 啓介 先生