悪性胸膜中皮腫 トップ 1 悪性胸膜中皮腫について 悪性胸膜中皮腫とはどんな病気ですか? 治療ガイド 胸膜の位置と構造について教えてください 悪性胸膜中皮腫はどのような人に多いですか? 2 悪性胸膜中皮腫の種類 悪性胸膜中皮腫にはどんな種類がありますか? 3 悪性胸膜中皮腫の病期 病期(ステージ)とはなんですか? どのように決められますか? 4 悪性胸膜中皮腫の検査と診断 どんな検査が必要ですか? 5 悪性胸膜中皮腫の治療方針 治療方針は何をもとに決められますか? 6 手術について どのような手術がありますか? 7 放射線療法について 放射線療法は、どのような治療ですか? 8 薬物療法について 薬物療法とは、どのような治療ですか? 9 薬物療法の副作用とケア 薬物療法で使われる薬の副作用には、どのようなものがありますか? 10 緩和療法(ケア)について 緩和療法とは、どのような治療ですか? 6手術について どのような手術がありますか? 悪性胸膜中皮腫 手術 片側の胸膜と肺をまとめて切除する「胸膜肺全摘術きょうまくはいぜんてきじゅつ(EPP)」と、片側の胸膜のみを切除する「胸膜切除きょうまくせつじょ・肺剥皮術はいはくひじゅつ(P/D)」があります。 「胸膜肺全摘術(EPP)」は、がんがある片側の胸膜と肺とをまとめて切除する方法です。切除する範囲が広く根治性※はやや高いものの、身体への負担が非常に大きく、術後の合併症も比較的多い手術です。一方、「胸膜切除・肺剥皮術(P/D)」は、片側の胸膜を切除し、肺は残す方法です。こちらは、再発リスクはやや高まりますが、肺が温存されるため生活の質が維持しやすく、胸膜肺全摘術に比べて合併症の発症率も低い手術法です。患者さんの状態や術後の影響などを十分考慮したうえで、より適した手術法が選択されます。なお、治療効果を高めるため、患者さんの状態に応じて、手術の前後に化学療法や放射線療法を組み合わせる「集学的治療」が行われます。 ※再発することなく完全に治ること 日本肺癌学会編:患者さんのための肺がんガイドブック2022年版, WEB版 国立がん研究センター 希少がんセンター「悪性胸膜中皮腫」 主な手術の種類と切除範囲 胸膜肺全摘術(EPP) がんがある片側の胸膜(壁側、臓側)と肺をまとめて切除する方法です。 胸膜切除・肺剥皮術(P/D) がんがある片側の胸膜(壁側、臓側)を切除し、肺は残す方法です。 悪性胸膜中皮腫に対する手術方法の比較 胸膜肺全摘術(EPP)胸膜切除・肺剥皮術(P/D) 手術可能な病期Ⅰ〜Ⅲ期までⅠ〜Ⅲ期まで(肺への浸潤が高度な場合は不可) 手術時間6〜8時間6〜10時間 手術によるダメージ非常に大きい大きい 主な合併症不整脈・心不全・気管支断端瘻肺からの空気漏れ 手術関連死亡率5〜10%3〜5% 術後在院日数3〜4週間2〜3週間 術後の生活の質やや不良比較的良好 胸膜中皮腫診療ハンドブック, p132-135, 中外医学社, 2007インフォームドコンセントのための図説シリーズ肺がん 改訂5版, p44, 医薬ジャーナル社, 2017 より改変 監修: 独立行政法人 国立病院機構 山口宇部医療センター内科系診療部長 青江 啓介 先生 (2023年6月作成) 治療方針は何をもとに決められますか? 放射線療法は、どのような治療ですか? 悪性胸膜中皮腫 トップに戻る