3.検査と診断
診断前の検査
中枢神経系原発悪性リンパ腫が疑われる場合、頭部MRI などの画像検査で脳に腫瘍があるかどうかの確認、他の臓器にリンパ腫がないかどうかの確認を行います。
さらに詳しく調べるために、リンパ節の腫れの確認、血液検査、髄液検査などが行われ、最終的な診断は、脳生検(脳のがん組織の一部を取り出して調べること)を行って決定されます。
検査の方法 | 検査の目的 | |
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中枢神経系の検査 | 脳生検(脳のがん組織の一部を取り出して調べる) | 中枢神経系原発悪性リンパ腫である、という診断を確定させる |
全身の検査 | 画像検査、リンパ節の腫れの確認、血液検査、髄液検査、眼科検査 など | 脳・脊髄以外に病気が広がっていないか、ほかの病気ではないかを確認する |
診断後の検査
診断後も、治療の効果や再発の有無を確認するために下記のような検査を行います。
検査の方法 | 検査の目的 |
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中枢神経系原発悪性リンパ腫の治療効果や再発について判定する |
リンパ節の腫れの確認、 全身の画像検査、血液検査、 髄液検査 |
全身性のリンパ腫ではないことを確認する |
- 中枢神経系原発悪性リンパ腫は高齢の患者さんに多いため、全身状態(日常生活の制限の有無)も確認します。認知機能の確認も併せて行われます。
- 中枢神経系原発悪性リンパ腫はエイズ患者さんに多いため、念のためHIV(エイズの原因ウイルス)感染の有無も確認します。
- 監修:
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埼玉医科大学国際医療センター
脳脊髄腫瘍科 教授
西川 亮 先生
(2023年3月作成)