3.検査と診断

検査について

原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)は、悪性リンパ腫で行う検査により診断されます。検査の結果から、今後の治療方針を決定します。

問診、触診

症状のあらわれた時期、全身症状(発熱、寝汗、体重減少など)、リンパ節の腫れなどを確認

血液検査、尿検査

全身状態を詳しく調べる
IgM型Mタンパクがどれくらいあるか、IgM型Mタンパクによって引き起こされる症状や合併症があるかを確認

骨髄穿刺・生検

腸骨(骨盤の一部)などに局所麻酔をして、骨髄の一部を採取する

リンパ節生検

病気になったリンパ節の一部を、手術により採取する

骨髄穿刺・生検、リンパ節生検の方法

骨髄穿刺・生検/リンパ節生検方法

病理検査

骨髄穿刺・生検、リンパ節生検で得られた組織を顕微鏡で詳しく検査する

生検(せいけん)とは、がん細胞の疑いがある細胞を針やメスで直接採取し、顕微鏡などで調べる検査です。

悪性リンパ腫の診断のためには、病理検査を行うことが必須です。
この他に、CT などによる画像検査で脾臓・肝臓の腫れなどの骨髄以外への病気の広がりを確認します。
原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)の疑いが強い場合は、眼底の検査をすることもあります。

MRI

診断について1,2)

原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)の診断は、症状や各検査の結果をふまえて、悪性リンパ腫の分類に当てはめて病型を確定し、他の病気との鑑別を行ったうえで診断されます。

再発した場合3)

原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)と診断されて治療を受け、検査上でがんがみられなくなった後に、再びがんがみられるようになることを「再発」といいます。
悪性リンパ腫が再発したときには、初発時と異なる病型になっている可能性があります。そのため、再発時の検査でも、再度生検を行い、診断されます。

  1. 1)日本血液学会: 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版, 2020, 金原出版.
  2. 2)国立がん研究センター がん情報サービス B細胞リンパ腫
    https://ganjoho.jp/public/cancer/B_lymphoma/index.html(2022年6月閲覧)
  3. 3)国立がん研究センター がん対策情報センター 編著: 各種がん131 悪性リンパ腫. 2017; 17.
  4. 4)Dimopoulos MA et al. Blood. 2014; 124(9): 1404-1411.

※本コンテンツは、ベレキシブル添付文書に合わせて疾患名を記載しています。

WM/LPL:
原発性マクログロブリン血症(Waldenström's macroglobulinemia)
/リンパ形質細胞リンパ腫(lymphoplasmacytic lymphoma)
監修:
国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院
血液腫瘍科 科長
伊豆津 宏二 先生

(2023年3月作成)