あなたと一緒に、がんと向き合う

3WM/LPLの治療

治療方針は何をもとに決められますか?
また、治療にはどのようなものがありますか?

WM/LPLによる症状や合併症が出現するまで経過観察し、その後治療を開始します。治療は血漿交換、化学療法があります。

WM/LPLは年単位でゆっくりと進行していく病気です。この病気によると考えられる症状が出ていないのであれば、特に治療はせずに、定期的なチェックのみで様子をみます(経過観察)1)。既に症状がある場合、もしくは経過観察をしている間に症状が出てきた場合は、治療を始めるかどうか検討します1)

治療を考慮する具体的な症状としては、持続する発熱、寝汗、体重減少、貧血による倦怠感けんたいかんがあげられます。また、過粘稠症候群かねんちょうしょうこうぐん(血液循環の障害とそれに伴う視力障害や意識障害などの症状)、末梢神経障害などの合併症も当てはまります。このほか、リンパ節や脾臓ひぞうの腫れ、血球の減少などがみられた場合も治療開始を考慮します1,2)

治療を開始する際に過粘稠度症候群がある場合、眼や脳の出血や昏睡こんすい、心不全のリスクがあります。そのため、血漿交換を先に実施する場合があり、その後に抗がん剤による化学療法(薬物療法)を実施します1)

治療方針は患者さんによって異なることもありますので、詳しくは主治医に確認してください。

初回治療の治療方針

初回治療の治療方針
※WM/LPLと診断されたあと、最初に行われる治療

血漿交換

血液は遠心分離すると、血液細胞(血球)が含まれる層とそれ以外の層(血漿)に分かれます。血液を身体から取り出して遠心分離し、IgM型Mタンパクを含む血漿を除き、新しい血漿に交換することで血液を正常な粘度に近づけることができます。

単純血漿交換療法(イメージ)

単純血漿交換療法(イメージ)

化学療法

注射薬、内服薬などで薬(抗がん剤)を全身に行き渡らせて過剰に増えたがん細胞の増殖を抑えたり、消滅させたりすることを目的として行われる治療です。がんのできている場所だけでなく、血管を通じて広範囲に薬剤が作用するため、効果や副作用も全身におよびます。

薬物療法に使われる薬は、働きや由来の違いによって「細胞障害性抗がん剤」と「分子標的治療薬」に分類されます。どの薬をどのような組み合わせで投与するかは、血液の状態、IgM型Mタンパクの量、年齢や合併症の有無を考慮して判断されます1)

  1. ①細胞障害性抗がん剤

    主に細胞が分裂して増殖していくときに必要なDNAの合成・複製を妨げることで、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。

    細胞障害性抗がん剤
  2. ②分子標的薬

    分子標的薬は、特定の遺伝子のタンパク質に作用することで、がん細胞が増えるのを抑える働きがあります。WM/LPL患者さんの初回治療において、WM/LPLはB細胞性の非ホジキンリンパ腫のひとつであることから、B細胞に発現しているCD20というタンパク質を標的にした薬などが使われます2)

    分子標的薬
参考文献 1)日本血液学会:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版, 金原出版, 2018 2)Dimopoulos MA. et al. Blood. 124(9): 1404-11, 2014
監修:
山形大学大学院医学系研究科 内科学第三講座 教授
石澤 賢一 先生

WM/LPLの治療で小野薬品の薬を使用された方へ