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小野薬品の薬をご使用の方向け情報

4.カイプロリスの注意すべき副作用

カイプロリスの投与中、体に異常(副作用)があらわれることがあります。副作用に早く気づけば、それだけ早く対応でき、重症化を防げます。
また、副作用に適切に対処することで、日常生活への影響を少なくでき、治療の継続につながります。

副作用には自覚症状で気づくものと、検査で気づくものがあります。患者さんからの情報が副作用の発見につながることもあります。体の状態で気になることや、ここで紹介した症状に気づいたら、主治医や看護師、薬剤師にお知らせください。

特に注意すべき副作用

カイプロリスによる治療で特に注意すべき副作用とその症状をご紹介します。

骨髄抑制

血液中の赤血球や白血球、血小板、好中球、リンパ球などが減少した状態のことを骨髄抑制といいます。カイプロリスが骨髄中の正常な細胞に作用すると血液細胞を作ることができなくなり、骨髄抑制がおきます。

貧血

赤血球が減ると貧血になります。

症状:
疲れやすい、顔色が青白い、失神、めまいなど
貧血

感染

白血球や好中球、リンパ球が減ると、体外から侵入した病原菌を攻撃できなくなり、風邪や肺炎、口内炎、尿路感染症などの感染症にかかりやすくなります。

症状:
発熱、鼻水、のどの痛み、咳、痰、排尿時の痛みなど

出血

血小板が減ると、少しの刺激で出血しやすくなり、血が止まりにくくなります。

症状:
鼻血、歯茎の出血、青あざができやすい、血便など
出血

疲労

疲労を生じさせる原因はさまざまです。
治療中は無理のない範囲で仕事や家事をするようにし、
十分な睡眠をとるようにこころがけましょう。

症状:
疲れやすい、力が入らない、だるい、疲れがとれないなど
疲労

発熱

発熱の原因はさまざまで、感染症、肺障害、薬剤の点滴にともなうアレルギー様反応などが考えられます。一過性か、持続性かによって原因や治療法が異なります。カイプロリスの投与中は、毎日の体温を記録し、発熱した場合はすぐに主治医や看護師、薬剤師に知らせましょう。

呼吸困難、肺障害

咳や息切れがひどくなったり、呼吸がしにくくなったりすることがあります。
肺の病気(間質性肺炎、肺臓炎、急性呼吸窮迫症候群、急性呼吸不全など)が原因の場合もあるので、これらの症状に気づいたら、すぐに主治医や看護師、薬剤師に知らせましょう。

症状:
労作時の息切れ・息苦しさ、から咳、発熱など
呼吸困難、肺障害

高血圧

血圧の高い状態が一定期間続くことがあります。
血圧が急激に上昇すると、高血圧クリーゼ(高血圧緊急症)と呼ばれ、緊急対応が必要になります。

症状:
頭痛、動悸、耳鳴りなど
高血圧

吐き気・便秘

吐き気や便秘などの胃腸障害が比較的多くみられます。
吐き気などのために食事や水を飲むことができなくなり、脱水症状になることがあります。飲みやすいものを少しずつでも飲むようにして、水分補給をこころがけましょう。

吐き気・便秘

注意が必要なその他の副作用

カイプロリスによる治療中、次の副作用があらわれることがあります。
主治医は、検査の結果を慎重にチェックしながら、これらの副作用がおきていないか注意しています。自分で気がつく症状もあるので、当てはまるものがある時には次の診療を待たずに主治医や看護師、薬剤師にお知らせください。

心障害

心臓に異常をきたし、うっ血性心不全、QT間隔延長、心筋梗塞、心嚢液貯留、心膜炎などがおきることがあります。

症状:
動悸、脈の乱れ、胸の痛み、息切れ、血圧の上昇、体重の増加など
心障害

腎機能障害

腎臓の機能が低下した状態です。血液検査などでクレアチニンやBUNが増加していると、腎障害が疑われます。
重症化すると透析が必要になることがあるため、以下の症状に気づいたら主治医や看護師、薬剤師にお知らせください。

症状:
尿量が減る、尿が出ない、むくみ、疲れやすいなど
BUN:
尿素窒素
腎機能障害

肝機能障害

血液検査の結果、ALT、AST、ALPなどが上昇していると、肝機能が低下している可能性があります。
肝機能障害は重症化すると命にかかわることもあるため、以下の症状が急にあらわれたり、持続したりする場合は、主治医や看護師、薬剤師にお知らせください。

症状:
疲れる、食欲不振、発熱、皮膚が黄色くなる、発疹、吐き気・嘔吐、かゆみなど
ALT:
アラニンアミノ基転移酵素
AST:
アスパラギン酸アミノ基転移酵素
ALP:
アルカリホスファターゼ
肝機能障害

腫瘍崩壊症候群(しゅようほうかいしょうこうぐん)

治療によって腫瘍細胞が大量に破壊されると、壊れた細胞の内容物が血液の中に流れ出し、高尿酸血症や高カリウム血症などを引きおこします。進行すると、腎不全や不整脈、突然死をきたすことがあります。
予防のためには、水分補給が大切です。自覚症状で気づくことはほとんどなく、血液検査で発見されます。

症状:
尿量の減少、脈の乱れ
監修:
群馬大学大学院 保健学研究科 教授
村上 博和 先生