3悪性中皮腫の治療について

緩和ケアとは、どのような治療ですか?

がんに伴う体と心の痛みを和らげ、その人らしさを大切にする治療法です。

悪性中皮腫の療養中は、痛みやだるさ、息苦しさ、といった体の不調が日常生活を妨げることがあります。がん医療における緩和ケアとは、がんに伴うつらい症状を和らげ、生活やその人らしさを大切にする治療法です。
たとえば、お腹に腹水が溜まって苦しい場合は、専用のチューブを挿入して腹水を吸い上げる処置が行われることがあります。また息苦しいときや痛みが続く場合は、酸素吸入や鎮痛薬などが用いられることもあります。
緩和ケアは、患者さんがどのような病状であっても、どのような時期であっても受けることができます。特に病気の進行が早い悪性中皮腫では、治療と並行して早い段階から緩和ケアを始めることが勧められます。緩和ケアについて話を聞きたいときは、担当医や看護師に相談してください。

特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和ケア.net「患者さん・ご家族等一般の方へ」
アメリカがん協会「悪性中皮腫に対する緩和処置」:
https://www.cancer.org/cancer/types/malignant-mesothelioma/treating/palliative-procedures.html
日本医師会監:新版 がん緩和ケアガイドブック, p22,58-59, 青海社, 2019
監修:
兵庫医科大学医学部 呼吸器・血液内科学 主任教授
兵庫医科大学病院 呼吸器内科 診療部長 がんセンター長
木島 貴志 先生

(2023年11月作成)